トップページ教え方豆知識>小中学校理科の考察の書き方とは?基本的な型と手順を詳しく解説
公開日:2026年09月11日  
更新日:2026年07月31日

小中学校理科の考察の書き方とは?基本的な型と手順を詳しく解説

「理科の考察はどのように書かせたらいいのだろう」
「考察が、結果や感想と同じような内容になってしまう」

といったお悩みはありませんか。

「考察」は、理科の学習を進めるうえで子どもの科学的な思考力や表現力を育てる、とても重要なステップです。しかし考察は、実験の結果をさまざまな知識と結び付けて考えるという難しさがあり、子どもが「考察で何を書けばよいのかわからない」と悩んでしまうこともあります。同時に、指導する先生も「書かせる内容についてどのように指導すればよいか」が判断しにくく、指導の難しさを感じやすい側面があります。

この記事では、

・「考察」の基本的な書き方
・「結果」「まとめ」「感想」との違い
・考察の書き方例
・指導のポイント

などを詳しく解説していきます。

「考察」をどう教えたらいいかわからないという先生は、ぜひ参考にしてみてください。

小中学校理科の「考察」とは?

理科における「考察」とは、実験や観察を通して得られた結果をもとに、その現象が起こった理由や背景にある仕組みを考えるステップのことを指します。考察を書くためには、既習事項や生活経験など、さまざまな情報を結び付けて考えていくことが必要になるため、子どもにとっては「何を書いたらよいかわからない」という状態になりやすいです。

また、実験・観察後には、考察の他に「結果」や「まとめ」なども行うことが多いですが、「考察」と内容が似ている部分もあるため、先生も混同しやすいという一面もあります。「結果」や「まとめ」との違いを押さえ、先生自身が「考察」で書くべき内容をしっかり理解したうえで、子どもに書き方を丁寧に指導するようにしましょう。

「結果」「考察」「まとめ」「感想」それぞれの違い

ここでは、書き方を混同しやすい「結果」「考察」「まとめ」「感想」それぞれの違いについて整理していきます。

「結果」とは

まず、実験・観察後に最初に整理すると良いのが「結果」です。結果は、実験や観察で実際に見られた現象や、得られたデータをそのまま書く部分です。グラフや表から読み取れる事実だけを記述し、主観や解釈は入れません。

例えば、「食塩とミョウバンそれぞれが水に溶ける量は、水の温度によってどう変化するのか」という学習課題であれば、結果は「食塩:20℃→小さじ3杯/50℃→小さじ3杯、ミョウバン:20℃→小さじ1杯/50℃→小さじ3杯」と実験で得られた情報が結果になります。

「考察」とは

次に、結果を踏まえて行うのが「考察」です。ここでは、結果で得られた内容をもとに「なぜその結果になったのか」「結果からどのようなことが言えるか」を記述します。実験・観察結果に対して、そうなった理由を予想と比較したり、既習事項や生活経験をもとに考えたりして行っていきます。

例を挙げると、「食塩は水温が上がっても溶ける量が変わらないが、ミョウバンは水温が上がると溶ける量が増えた。ものによって違いがあると考えられる」といった内容になり、結果の解釈が加わったものとなります。

「まとめ(結論)」とは

結果と考察を整理したあと、授業の最後に行われることが多いのが「まとめ」です。ここでは、結果と考察を踏まえて、実験全体から言えることを簡潔に整理します。実験の目的や学習課題に立ち返り、その答えとなる内容をまとめます。

例えば、「食塩の溶ける量は水の温度が高くなってもほとんど変化せず、ミョウバンは温度が高くなるほど増える。」という内容になります。まとめは知識を定着させる段階であり、次の学習につなげるためのポイントともなります。

「感想(振り返り)」とは

感想は、学習全体に対する子ども自身の気持ちや気づきを書く部分で、先生が子どもの主体性や計画性などを参考とする場合があります。

例えば、「水温を上げたら食塩もミョウバンも溶ける量が増えると思っていたから、水温を上げても食塩がほとんど変わらなかったことには驚いた。他のものでも調べてみたい。」というように、驚いたことや今後調べてみたいことを書いていきます。

また、「実験中に意識したこと」や「班の人と協力できたこと」などを書かせると、先生が実験中に把握しきれなかった子どもの様子も見取ることができ、評価に活かせるでしょう。

学校では、理科の実験における「問題→予想→計画→実験(観察)→結果→考察→まとめ」という基本の流れをわかりやすく理科室や教室に掲示するのも効果的です。ここで、結果、考察、まとめ、感想をそれぞれ区別しておけば、子どももいつでも確認することができるでしょう。

考察に書くべき内容2つ

ここでは考察の基本的な書き方について詳しくまとめていきます。理科の考察では、主に2つの内容を書きましょう。1つ目は、考察の根拠となる事実の部分。つまり、今回の実験結果です。それを踏まえて2つ目に、その実験結果からいえることを自分で考えて書いていきます。それぞれ詳しく解説していきます。

①事実となる実験結果

考察には、初めに今回の実験結果を書きます。説明する際に、「~という結果から」や「~という結果になったのは」のような型を示すと、子どもは書き進めやすくなるでしょう。

②自分の考え

実験結果を踏まえてその結果から考えられることを、既習事項や自分が経験したことをもとに、子ども一人ひとりが考えて記述していきます。理科における思考力や表現力を発揮する大切な段階です。必要に応じて、図や表を用いながら書くのも有効でしょう。

また、結果から考えられることに加えて、「この場合はどうなるんだろう」という新しい疑問につなげたり、「だから日常のあの仕組みはこうなっているのか」と生活に結びつけて考えたりできると、考察はさらに深く、より良いものになります。

自分で書くのが難しい子どもには、最初は「~という結果から、~だということがわかった」というように、穴埋め形式にしてみてもいいでしょう。少しずつ考察の書き方を身につけていけると良いですね。

より良い考察を書くための4つのポイント

考察の基本的な書き方を押さえたうえで、より良い考察を書くためのポイントを詳しく解説していきます。小中学生それぞれの場合の考察の書き方例も示しているので、書き方の型や書く内容を示す際に参考にしてみてください。

結果と予想を比べる

理科の実験前に立てた、実験結果の予想や結果の見通しは、考察を書き進めるうえで大切なポイントとなります。実験結果を予想と比較することで、そのような結果になった理由を考えやすくなります。

予想と実験結果が同じだった場合は、「予想では~だから~と考えていた。結果は予想通り~だった」と記述できます。もし、予想の段階で想定していなかった事象が実験の中で見られたならば、考察でそのことについて書くこともできます。

もし、予想と実験結果が違ったならば、さらに思考を広げるチャンスとなるでしょう。「予想では~と考えていたが、結果は~だった。こうなった理由は~」と書き進めることができます。

【予想と比べる場合の例】

「予想では、温かい水の方が食塩もミョウバンも溶けると思っていた。結果は、ミョウバンは温度を上げたら溶ける量は増えたが、食塩は変わらなかった。食塩とミョウバンは性質が違うのではないかと思った。」

既習事項や生活経験を活用する

より良い考察のためには、根拠を示しながら書き進めることが大切になります。子どもが根拠として示せるものは、これまでに学習してきた既習事項や、日常の中での生活経験になるでしょう。

例えば、「温かいお湯の方が砂糖が早く溶けたから、今回の実験結果も~」「日なたに置いた植物の方がよく育っていたので~」のように、日常やこれまでの学習経験で得られたことを思い出し、今回の実験結果との共通点を見つけることで、現象の理由を考えやすくなります。既習事項や生活経験を活用する習慣をつけることで、自分の持っている知識を実験結果と結びつけ、論理的に説明できるようにしましょう。

【既習事項や生活経験を活かす例】

「温めた空気は上にのぼっていた。ストーブで部屋を温めていた時に、上の方が温かく感じていたのは、ストーブの温かい空気が上にのぼっていたからだということがわかった。空気は温められると軽くなるのではないかと考えた」

「水中に円筒を深く沈めるほどゴム膜が大きくへこんだことから、水深が深くなるほど水圧は大きくなることがわかった。これは、上にある水の重さが増えたからであり、大気圧が地上からの高さで変わるのと似ている」

図や表を利用する

理科の考察を書くときには、図・表・イメージ図を活用することで、子どもは自分の考えの表現や説明がしやすくなります。

イメージ図は、空気や水の流れ、粒の動きなど、目に見えない仕組みを図にするもので、言葉だけではイメージしにくい事柄を表現する際に役立ちます。また、中学生などでは表やグラフを根拠として用いることで、客観的に事実を示すことができ、考察の説得力が高まります。考察の質を高めるためにも、図や表を利用するようにしましょう。

データの差異に注目する

理科の実験や観察は個人や少人数の班で行うことが多く、全体で結果を確認すると、データにばらつきが見られる場合があります。考察の際には、そのばらつきや結果の違いの原因に着目してみると、新たな視点から考察できるようになります。

例えば、他の班と異なる実験結果となった班があった場合、「なぜその班だけ結果が違っていたのか」「今回の実験で正確な結果を出すためには、どんなことに気をつける必要があったのか」という視点で考えることで、より深い考察を書くことができます。それぞれの結果にばらつきが見られた場合は、考える視点として提示しましょう。

【データの差異点に注目する例】

「自分たちの班は他の班よりも多く食塩が溶けた。用意した水の量が他の班よりも多かったためだと考えられる。しかし、どの班も温度が高くても食塩が溶ける量が増えることはなかったので、温度が食塩の溶け方に関係していないことは正しいと言えるだろう」

考察についてグループで交流するのも有効です。「何に注目したらいいかわからない」「どのように書いたらいいかわからない」と迷う子どももヒントが得られるでしょう。

理科の考察指導3つのポイント

考察は結果を踏まえて自分の考えをまとめる活動なので、「どう書いたらいいのかわからない」と迷う子どもも多いでしょう。ここでは、子どもが迷いなく考察を書き進められるように、先生ができる手立てや指導のポイントをまとめていきます。考察は、子どもの科学的な思考力や表現力を育てる大切な活動なので、子どもの実態に合わせて適切な指導を行っていきましょう。

結果を全体で共有する

考察を書く前に結果を全体で共有し、整理する時間をつくることは、考察を書くうえでの土台となる大切な時間となります。

すべての班の結果がそろったら、全体で実験結果を確認し、

「どの班も同じだった点(共通点)」
「班によって違った点(差異点)」

を整理しましょう。

実験は多くの場合、個人や少人数の班で行うため、手順の違いや測定の誤差によって、班ごとに結果が異なる場合があります。そのため、自分の班の結果だけを見て考察を書くと、誤った結論につながる可能性があります。黒板や画面に結果を一覧にして示すと、共通点と差異点が視覚的にわかりやすくなるので、おすすめです。

また、子どもは結果を見ても、どこに注目したらよいかがわからない場合もあります。考察の方向性をそろえるためには、「どのデータが大事なのか」「どの変化に着目すべきなのか」を明確にしておくことが重要です。

思考をうながす声かけをする

結果を確認したあと、考察で書くべきポイントを先生が具体的に示しておくと、子どもは迷わず書き進めることができます。

例えば、結果の共通点や差異点に注目させた後、「一番変化が大きかったのはどれかな」「どうして違いが出たのかな」といった声かけをして、考えるきっかけを与える方法があります。

また、「予想と同じだった?もし違っていたら、どうしてだと思う?」と声をかけることで、考察の視点が広がります。さらに、言葉での説明が難しい子どもには「図にするとどうなる?」と、表現しやすい方法を示すことも大切です。

キーワードや文章の型を与える

考察を書くことが苦手な子どもに効果的な方法として、キーワードや文章の型を提示するという方法があります。これも、考察を書くための手立てになります。例えば、「温度」「変わる」「溶ける」「性質」などのキーワードを示したり、「理由は」「なぜならば」というワードをワークシートの中に入れ込んだりするだけでも、子どもは考える方向性を整理できるでしょう。

子どもに実験結果のポイントに注目させるためには、実験結果の書かせ方や先生の実験結果のまとめ方が重要になります。表にするのかグラフにするのか、グラフにするならば軸や目盛りはどうするとよいのか、少し工夫をするだけでも子どもの見方が変わってきますよ。

理科のレポートを書く手順

理科の授業では、子どもが自分で計画を立てて、実験や観察を進めレポートにまとめる場合があります。そのためここでは、考察を組み込んだレポート全体の項目や書く手順について解説していきます。理科のレポートは、考えたことを順序立てて説明していくものなので、子どもがそれぞれの項目の役割を理解したうえで書き進められるようにしましょう。

①問題を設定する

まずは、学習の流れや生活経験から生じた疑問や課題に対して、今回明らかにしたい部分である「問題」を明確に設定します。これは実験全体の方向性を決める重要なものです。結果や考察を書く際には、この問題に立ち返って、「答え」になるように書くことが大切です。

【例:水の温度によって食塩の溶ける量が変わるか調べる】

②予想(仮説)をする

次に、問題に対して既習事項や経験をもとに「こうなるはずだ」と結果の予想をします。その時に「なぜそう思うのか」という理由まで書いておくと、実験後に結果と比べやすくなり、考察をより深めることができます。

【例:温かい水の方がよく溶けると思う。なぜなら、飲み物に砂糖を溶かしたときに、温かい方がよく溶けたから】

③実験計画を立てる

問題を解決するための実験の手順を整理し、条件をそろえていきます。「変える条件」「そろえる条件」「調べる条件」を明確にして書くことが大切です。他の人が読んで理解できるよう、使った道具・量・時間などをレポート上ではっきりと書き示すようにしましょう。

【例:・水の量はすべて100gにそろえる・食塩は5gずつ入れて一定の速さでかきまぜる・温度だけを変えて比べる(20℃・40℃・60℃)】

④実験を行い、結果と考察をそれぞれまとめる

計画を立てたら実際に必要な道具を準備し、実験を行い、レポートにまとめていきます。上記の「『結果』『考察』『まとめ』『感想』それぞれの違い」で解説した通り、レポート上の「結果」では実験で実際に起こったことを、数値や表、グラフを入れて客観的に書き、「考察」でその結果から考えられることを書きます。これまでの項目で解説したことを活かして既習事項を使ったり、予想と比べたりして、より深い考察にしていきましょう。

【例:水の温度を高くしても食塩が水に溶ける量はほとんど変わらなかった。予想では、温度を上げたら溶ける量が増えると思っていた。食塩が水に溶ける量と温度は関係しないといえそう。】

⑤学習を振り返り、感想を書く

最後に、実験を含む学習全体を振り返り、子ども自身の気づきを書いていきます。今回の実験結果や考察をもとに、次につながる疑問まで書けると、これからの学習の見通しがもてるでしょう。

【例:砂糖が熱い飲み物によく溶けていたから、食塩も水の温度を上げればよく溶けると思っていた。実験をしたら、食塩は温度を上げても溶ける量が変わらなくて驚いた。他のものも調べてみたい】

理科では、知識の定着が目的ではなく、科学的に考える力や問題解決能力を育てることが重要です。「なぜそのようにするのか」「なぜそう考えたのか」といった自分の考えを、子どもがしっかりもてるようにしていきましょう。

考察の書き方を伝えて、子どもの思考が深まる授業にしよう

理科の授業における「考察」は、実験や観察で得られた結果をもとに、自分の持っている知識と結びつけて、その理由や原因を考えるとても大切なステップです。「結果」や「まとめ」と内容を混同しやすいですが、それらを先生がしっかり区別して、順序立てて授業を進めていくことで、子どもの思考も整理されて、より良い考察が書けるようになるでしょう。そして、より良い考察は、子どもの科学的な思考力や、表現力を育てることにもつながります。 考察を書く際には、結果の注目すべきポイントを確認したり、キーワードを示したりすることで、子どもが考えやすくなり、方向性もそろいやすくなります。この記事を参考にしながら、理科の考察の書き方とポイントを、子どもと一緒に確認してみてください。

\ SNSでシェアしよう /

このメディアについて

これからの教育を担う若い先生たちに向けた、
学び・教育に関する助言・ヒント(tips)となるような情報を発信します。
何気なく口にする駄菓子(chips)のように、
気軽に毎日読んでもらいたいメディアを目指しています。