
小学校の係活動のアイデアに悩んでいませんか?
小学校の係活動は、児童が学級の役に立つことを実感できる楽しい活動です。そのため、学級づくりに大いに役立てたいと考える先生は多いでしょう。先生が係活動のアイデアを多く知っておくと、児童の活動の幅も広がります。
この記事では、小学校の係活動のアイデアから、係活動の目的、活用のポイントまで係活動に関する内容をまとめています。これからの係活動のヒントや、新しいアイデアを見つけるきっかけとして、ぜひ役立ててください。
小学校の係活動は何のためにあるの?
小学校の係活動は、児童の主体性や自己有用感を高め、将来の社会参加につながる力を育む機会となる活動です。学習指導要領では、特別活動の中の学級活動の項目において、役割を分担して協力したり、話し合いを通して意思決定したりすることに自主的、実践的に取り組むことが重視されています。係活動はその具体的な実践の一つとして多くの学校で取り入れられています。
ここでは、小学校の係活動の意義と目的について詳しく整理していきます。
自治・主体性の育成
小学校の係活動では、自分たちの生活を自分たちでよりよくしたいという意識が児童のなかに生まれやすく、活動の中で、主体的に考えたり、行動したりする力が育っていくことが期待できます。
また、主体的な係活動では、自分の行動がクラスに影響を及ぼすことが実感できるため、自己有用感や責任感につながり、さまざまな活動への後押しとなります。
協働性・コミュニケーション力の育成
係活動では複数人で運営を行う場合が多いため、相談・役割分担・調整などの協働スキルを身につける機会にもなります。トラブルや意見の違いが生じたときも、どのように解決したらいいのかを考え、乗り越えていく経験が重要な社会的スキルの育成につながると考えられています。
多様な能力を発揮し、認め合う場
係活動で児童は、学習活動とは異なる領域で活躍する機会を得られます。そのため児童の多様な強みが表れやすいです。一人ひとりの強みを理解し合い、係活動でその強みを活かすことで自己有用感を高めることが期待できます。
児童一人ひとりが係活動を通して「クラスのために自分ができること」を考えて行動する姿が広がっていくと、学級に一体感が生まれやすくなります。お互いに頑張りを認め合いながら取り組むことが、学級全体の雰囲気づくりにもつながっていきます。
係活動と当番活動の違いとは
係活動と当番活動は、どちらも「学級の生活を支える役割分担」という点では共通していますが、その目的には違いがあります。
まず係活動は、児童が「クラスをよりよくするために何ができるか」を考え、自分たちで企画や工夫をしながら取り組む活動です。活動内容を話し合って決めたり、よりよくするために改善したりと、児童が「どうしたらクラスが良くなるか」を考えながら主体的に運営していく点が特徴です。
一方で当番活動は、学級生活を円滑に進めるために必要な仕事を、順番に担当して行う活動です。あらかじめ決められた役割を交代で担い、日常生活を支えることが主な目的です。例えば、以下のようなものが当番活動として該当します。
・給食当番(決められた手順に沿って給食を配膳したり、配膳準備や片付けを行ったりする)
・掃除当番(担当場所を決められた手順に沿って掃除する)
・日直(朝の会の進行など決まった内容を交代で行う)
・水やり当番(学級で管理している植物に交代で水をやる)
このように、係活動と当番活動は、それぞれ役割や目的が異なる活動であることをおさえておきましょう。
児童が当番活動と係活動のそれぞれの目的を理解していないと、係活動が創意工夫のない受動的な活動になってしまう恐れがあります。係活動を始める前に、児童と係活動の目的を確認するようにしましょう。
楽しい係活動アイデアまとめ45選
小学校の係活動には、どの学校でもよく見られる定番の係から、児童の創意工夫で生まれるオリジナルの係まで幅広いバリエーションがあります。児童の学級への思いをしっかり聞き取りながら、必要な係を整えていきましょう。ここでは、カテゴリ別に係のアイデアと活動内容の例をまとめていきます。
生活を支える係
日常の生活をスムーズにするための係です。当番活動ではカバーしきれない、児童の日常での小さな困りごとを解消につなげる役割を担います。
・給食お助け係:給食当番とは別に、給食時間での配膳や片付けのサポートとなる活動をする
・掃除サポート係:当番がスムーズに掃除ができるよう掃除道具の整頓をしたり、みんなが前向きな気持ちで掃除に取り組めるようポスターなどを作って働きかけたりする
・黒板係:掃除時間や休み時間に黒板消し、チョークの補充など黒板周りを整えて、みんなの学習意欲を高める
・整列係:移動時に整列を呼びかける
・時間係:授業や活動の時間を確認し、チャイム前に声をかけるなど時間を意識して行動できるよう働きかける
・保健係:体調が悪い友達を保健室まで連れていったり、体調管理のための呼びかけを行ったりする
・忘れ物係:帰りの会や移動教室時に、忘れ物チェックや声かけをする
・落とし物係:落とし物を管理したり、落とし物をしないようポスターなどを作って働きかけたりする
・タブレット係:タブレット使用時に使い方をサポートしたり、使用後にタブレット端末の整頓を行ったりする
・お助け係:授業内容でわからないところがある友達に積極的に教えるなど、学習や活動で困っている友達の手助けをする
環境を整える係
教室の雰囲気や環境を整える係で、学級をみんなが居心地よく過ごせる場所にするための役割を担います。
・掲示係:掲示物の貼り替えや、季節ごとの飾りつけを行う
・植物係:花や観葉植物の管理を行う
・生き物係:学級で飼っている生き物の世話を行う
・図書係:学級文庫の整理整頓を行ったり、朝の会などでおすすめの本を紹介したりする
・美化係:掃除時間や下校前に教室の整理整頓やゴミの管理を行う
・空気係:教室の温度や空気環境に気を配り、換気などを行う
・SDGs係:ポスター等で節水・節電・リサイクルを呼びかける
・安全係:掃除時間などに教室の危険箇所をチェックしたり、安全のための呼びかけを行ったりする
情報・コミュニケーションに関わる係
学級全体を盛り上げるためにさまざまな情報を発信する役割を担います。
・ニュース係:朝の会などに学級の情報を発信する
・新聞係:学級新聞を発行する
・司会係:学級会や朝の会を進行する
・記録係:行事や話し合いの記録を行う
・連絡係:連絡事項を整理し、学級全体に伝える
・ポスター係:行事やイベントごとにポスターを作り、学級の一体感を高める
学級新聞づくりに関しては、以下の記事に詳しくまとめています。ご参照ください。
▶国語力と団結力が伸びる! 学級新聞の作り方と使えるネタ
学級で楽しめる時間を作る係
学級の雰囲気を明るくし、仲間づくりを促す係で、学級を盛り上げるために、休み時間やお楽しみ会などに全体で楽しめる時間を作ります。
・レク係:休み時間や集会の時間に行うゲームや遊びを企画・運営する
・誕生日係:誕生日の人を祝うカードを作ったり、イベントを企画したりする
・イベント係:季節行事の企画を行う
・音楽係:学級集会や掃除などの時間に流すBGMを考えたり、朝の歌のリードを行ったりする
・スポーツ係:学級全体で身体を動かせる外遊びを企画する
・クイズ係:朝の会でクイズを出す
・なぞなぞ係:朝の会でなぞなぞを出す
・お笑い係:朝の会や休み時間などに、定期的に短いネタや小話を披露する
・演劇係:朝の会や休み時間などに、定期的に短い劇や寸劇を披露する
・マジック係:朝の会や休み時間などに、定期的にマジックや手品を披露する
・工作係:休み時間や集会時などに、全体で工作を行う時間を企画したり、教室を装飾したりする
・ダンス係:休み時間や集会時などに、定期的にダンスを披露したり、みんなでダンスをする時間を作ったりする
学びを支える係
学級の学びをサポートしたり、楽しんで学びに向かえるように働きかけたり役割をもつ係で、児童の興味のある教科や分野に合わせて設置すると主体的な活動が期待できます。
・漢字係:漢字クイズやミニテストを作る
・算数係:算数クイズやパズルを出す
・読み聞かせ係:図書の時間や休み時間などに本の紹介や読み聞かせを行う
・理科係:理科で学んだことや調べたことを発信する
・地域調べ係:地域にまつわる情報を発信する
・歴史係:歴史にまつわる情報を発信する
・豆知識係:定期的に学級の学びにつながる豆知識を発信する
・天気予報係:その日の天気や気温、天気にまつわる情報を発信する
・鉄道係:鉄道にまつわる情報を発信する
児童の間からつくりたい係が出ない場合は、先生が「こんな係があるよ」と紹介したり、「どんなクラスにしたいか」から考えさせたりする方法があります。児童が自ら「やってみたい」と思えるような係をつくることができるよう、サポートしていきましょう。
係活動を活用するための5つのポイント
小学校の係活動を活発にするためには、意識しておきたいポイントがいくつかあります。ここでは、5つのポイントを紹介します。
1.係活動の目的を全体でしっかりと共有する
係活動は、当番活動のように仕事をこなすことが目的ではなく、児童が主体的に創意工夫を凝らしながら行っていくものです。そのため、活動に入る前に、係活動は「何のためにあるのか」を児童と共有することが大切です。
児童と係活動について確認すべき点としては、以下のようなものがあります。
・係活動は学級をより良くするための活動であること
・自分たちで行っていく活動であること
・仲間と協力して行う活動であること
これを最初に押さえておくことで、活動が受け身になりにくく、「自分たちの活動」として関わる意識が育ちやすくなります。
2.児童が決める場面を意図的に増やす
主体性は児童が自分たちで決める経験を積むことから生まれます。そのため、係活動では児童が決める場面を意図的に多く設けていきましょう。例えば、以下のような場面が考えられます。
・学級に必要な係を考える場面
・係の活動内容を考える場面
・役割分担について考える場面
・上手くいかなかったときの改善方法を考える場面
これらの場面の時には、先生が全て決めてしまうのではなく、児童に自分たちで話し合って決めるように促しましょう。しかし、ただ「話し合って決めて」と丸投げするだけでは、特に低学年や中学年では上手くいかないことも多いです。必要に応じて決め方や進め方を先生が提示し、話し合いを支援していく必要があります。
3.活動の成果が見えるような仕組みを作る
係活動は成果が見えないと達成感が育ちにくくなります。また、振り返りを行うことなく漫然と活動を続けると、活動がマンネリ化し、形だけになってしまうことがあります。そのため、活動の成果を見える化する仕組みを作ったり、振り返りの機会を設けたりして、係活動を児童の成長の場として、しっかりと活用できるようにしましょう。
活動の成果を感じられる仕組みや、振り返りの方法として以下のような例があります。
・活動の記録をカードにまとめる
・活動の成果を掲示物として残す
・週ごとに活動の振り返りを行い、今後の計画を立てる
・活動の様子を写真に撮って掲示する
このように、活動の成果を見える化し、振り返る習慣をつくることで定期的に活動内容を見直し、さらなる発展につなげていけると良いでしょう。
4.必要な時には先生が係の構造を整える
係活動は児童が自治的に行うものですが、放任しすぎると活動がうまく進まなくなってしまうことがあります。必要に応じて先生が係の構造を整えていくことが必要です。例えば、以下の場面では先生のフォローが必要になります。
・活動が止まっていたり、活動の仕方に迷っている様子が見られたとき
・児童の活動量や負担が偏っているとき
・トラブルや対立が起きたとき
・新しい係のアイデアが出たとき
このような場面では、先生が係の仕事量や役割を再調整したり、話し合いを促したりするなどの支援をすることが必要です。先生は児童が安心して係活動に取り組めるよう、環境づくりに努めましょう。
5.係活動を学級文化として育てる
係活動は学級の雰囲気づくりにつなげていくことができる活動です。係活動を通じて、お互いの働きを認め合うことや、学級のために取り組みたいという思いを一人ひとりがもてるようにすることが大切です。そのような学級文化を育てることで、係活動以外の日常の学習活動の中でも、自然と児童同士が助け合ったり、学級のためになる行動を進んで行ったりできるようになる効果が期待できます。
そのためには、係活動から生まれる「仲間のために動くこと」「お互いの思いを聞き合うこと」「失敗しても改善できること」などの価値を、先生が言語化して繰り返し共有していくことが大切です。そうすることで、価値観が学級に根付き、自治的な学級づくりにつながっていくでしょう。
係活動を活発にしていくためには、「計画する→実行する→振り返る→もう一度やってみる」のサイクルを定期的に行っていくことも有効です。係の中だけでなく、学級全体でも係活動全体を見直す機会を作るとよいでしょう。
係活動を盛り上げて楽しい学級にしよう
小学校の係活動は、児童の自治・主体性・協働性を育てる大切な機会の一つです。係活動の目的を先生がしっかり理解し、児童とも共有していくことで一人ひとりの成長や活躍の機会を広げることができるでしょう。係活動の種類は、児童のアイデア次第で自由に広がります。先生はサポートに回り、児童の思いを聞きながら、決めていくようにしましょう。 また、係活動をうまく運用していくためには、活動の成果を見える化したり、定期的に振り返りを行ったりすることが大切です。児童が主体的に活動していけるように、仕組みや環境を整えることが、先生の重要な役割になります。この記事を参考に、学級全体が盛り上がる活発な係活動を行っていってください。
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