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公開日:2026年07月31日  
更新日:2026年05月28日

【小学校】校外学習の目的とは?事前準備や指導のポイントを解説

「小学校の校外学習の目的って何だろう」
「校外学習当日までには、どのような準備をしたらいいのだろう」

小学校の校外学習を控え、このような疑問をもつ先生は多いのではないでしょうか。

校外に出て学習を行う校外学習は、学校内では得られない気付きや学びを多く得られる大切な学習です。そのため、校外学習を児童にとって学びの多い、楽しい活動にしたいと考える先生は多いでしょう。

校外学習の目的や内容はさまざまで、先生が確認しておくべきポイントも多くあります。計画的に準備を進め、見通しをもっておくことで、児童の理解度や達成感に大きくつながりやすくなります。この記事では、小学校での校外学習の目的や、校外学習の実施に関して先生が押さえておくべきポイントをまとめています。校外学習を成功させたい先生はぜひ参考にしてみてください。

小学校の校外学習とは?種類ごとに目的と内容を整理

校外学習とは、学校を離れて行う学習のことです。小学校では一般的に、児童の学習への理解や経験を深める目的で行われています。

学習指導要領では、「総則」や「社会・理科などの各教科」「特別の教科 道徳」「総合的な学習の時間」の項目において、体験的な活動や地域・社会とのかかわりを通した学習の充実が示されています。こうした学習の一つの形として実施されているのが、校外学習です。小学校では、遠足や宿泊体験学習、修学旅行などさまざまな形で校外学習が実施されています。

さらに、小学校学習指導要領の「特別活動」の項目では、「学校行事」の中に「遠足・集団宿泊的行事」が内容として盛り込まれ、学校内とは違う環境で「見聞を広め、自然や文化などに親しむ」こと、「集団生活の在り方や公衆道徳などについての体験を積む」ことなどが明記されています。

ここでは小学校の校外学習の内容について、具体的にまとめていきます。

教科の学習を深める校外学習

各教科の内容に関連して行われる校外学習では、単元目標に基づき、見学・観察・調査・体験などを行います。知識の理解や観察・調査のスキルを身につけることを目指すものが多いです。このような校外学習では事前学習や事後学習を工夫し、体験等がより深まるようにすることが重要となります。

具体的には以下のような学習が挙げられます。

・見学型(工場・消防署・公共施設など)
・観察、自然体験型(公園・河川・森林など)
・地域探検・調査型(町たんけん・フィールドワーク)
・体験活動型(農業体験・工芸体験)
・文化、歴史学習型(博物館・資料館)
・福祉、公共サービス学習型(福祉施設・防災センター)
・環境学習型(リサイクルセンター・発電所・浄水場)

これらの活動を通じて、教科書などに載っているものを実際に見たり、授業で学んだ道具を使って体験をしたりすることができます。こうした経験は児童のさらなる興味関心を引き出すことにもつながります。

特別活動としての校外学習

小学校の校外学習の中には、教科の学習だけでは得られない学びを得る目的で行われるものもあります。これらは、学習指導要領の中で「特別活動」の「学校行事」として位置づけられるもので、学校外で自然や文化に親しむ活動や、集団生活のための力を身につけることに重点を置いています。

たとえば、学年や全校での遠足、校外レクリエーション活動などが当てはまります。

宿泊をともなう校外学習

宿泊体験学習や修学旅行は、日常とは違う環境で集団生活のルールやよりよい人間関係を学ぶための大切な活動です。また、活動の中に自然体験や歴史文化学習を深める活動も含まれ、多くの学びを得られます。

校外学習は、行く場所や活動内容によって目的が大きく変わってきます。校外学習の計画を立てる際は、校外学習の目的やねらいを明確にするとよいでしょう。

校外学習の事前準備やることまとめ

校外学習では、先生の事前準備が重要です。なぜなら、校外学習における学習の質・安全・児童の心理状態に深く関係するからです。ここでは、小学校の校外学習前に行うべき事前準備を細かくまとめていきます。

校外学習の目的と内容を確認

まず、校外学習の目的と内容を教科や特別活動の目標と照らし合わせて、確認することが必要です。

教科の学習を深める校外学習の場合は、どの単元の何を深めるのかを明確にし、ねらいや評価規準を確認しましょう。これを事前学習や当日の活動内容につなげていきます。ねらいに合った活動内容を設定し、押さえておきたいポイントなどがまとめられるようなワークシートを準備しましょう。

行事や宿泊体験などの場合は、「自分たちで協力して進行する」「安全に気を付けて取り組む」といった目標を設定し、児童と共有します。目標を児童が理解しやすく覚えやすい「スローガン」の形にすることもあります。共有した目標が活動を進めていく上での大きな柱となるでしょう。目標が設定できたら、それを達成できるように、細かい活動内容を考えたり、しおりを制作したりする事前準備を行っていきます。

訪問先との連絡調整

校外学習の行き先が決定したら、行く先の担当者との打ち合わせを行います。日時・人数・受け入れ可否を確かめ、必要に応じて予約をとります。あらかじめ実地踏査(下見)を行い、現地の状況や安全の確認をしましょう。トイレの場所、避難経路、食事の場所などを確認し、所要時間を把握したうえで、施設の担当者と十分に事前の打ち合わせを行いましょう。写真撮影の可否や緊急時の連絡体制、危険箇所の確認なども行ってください。

教員間での運営準備

校外学習の予定が決まったら、管理職に計画書を提出します。その後、学校のルールに従い学年会や職員会議で情報を共有し、引率教員を決定します。活動日が近くなったら、活動時の教員の動きの確認や、児童の情報共有を行います。

児童への事前指導

児童への事前指導としては、学習面・行動面・安全面の3つの視点から指導することが重要です。

まず、教科の学習を深める校外学習の場合は、見学の視点や観察ポイントを共有するために事前学習を行いましょう。学校行事や宿泊をともなう校外学習の場合は、児童が主体的に活動に取り組めるよう、役割分担して必要な準備を行っていきます。4〜5人の班に分かれてそれぞれの役割を決めたり、行程や学習内容をまとめた「しおり」を作る活動を行ったりするとよいでしょう。

行動面では、交通機関や施設見学時の公共マナーや集団行動のルールを確認します。

安全面では通る道や施設での危険箇所を共有し、体調不良になった場合などの緊急時の対応の仕方についても確認しておきます。服装や持ち物の確認も、特に自然体験の活動などでは安全面での大切なポイントになります。

保護者との情報共有

校外学習の際には保護者に案内文書を配付します。案内文書に明記すべき情報には、以下のようなものがあります。

・日時
・訪問先
・費用(交通費など)
・問い合わせ連絡先
・持ち物
・集合解散時刻

必要な情報を明記し、家庭での準備がスムーズに行えるようにしましょう。アレルギーや健康情報についても再確認し、万が一の場合の緊急連絡先の確認を徹底しましょう。

安全対策

引率教員と学校とで、予定変更時の代案や避難経路・集合場所など必要な情報を共有し、連絡の仕方についても整えておきます。また、養護教諭と連携して救急セットもしっかりと作り、担当の先生を決めておきましょう。

当日の運営準備

校外学習の運営に必要な細かい備品や教材を準備します。たとえば、名簿作成、名札準備、ワークシートやしおりの予備確認などがあります。また、タイムスケジュールの最終確認を行い、引率教員用の「当日マニュアル」の作成もおすすめです。

校外学習は、普段の活動以上に当日のイメージをつくることが重要になります。当日の朝から帰りまでの動き方、緊急時の動き方などいくつものパターンを想定して動けるようにしておきましょう。

校外学習当日の進行の流れと主な注意点

校外学習の当日は、先生がどれだけ動きの見通しをもっているかが、児童の学びの充実と落ち着きに大きく関わります。校外学習当日の児童と先生の動きの流れと、注意点について時系列順にまとめていきます。

登校~出発前

・児童の健康状態チェック・出欠確認
・持ち物、服装の最終確認
・当日の流れ、約束の最終確認
・整列、点呼
・徒歩、公共交通機関、貸切バスなどの移動方法の確認

出発前までに、体調不良の兆候がある子を見逃さないよう、顔色や体調をしっかりと確認します。また、持ち物や服装チェックも行い、安心して出発できるようにしましょう。

移動(徒歩・公共交通機関・貸切バス)

・整列して出発
・交差点、横断歩道での安全指導
・公共交通機関での過ごし方やマナー指導

徒歩で移動する際には、先頭・中間・最後尾の先生の連携が重要です。特に交差点や横断歩道では、先生同士で声を掛け合って安全確保をします。先頭になった教員は、歩くスピードに気を付け、列が伸びすぎないよう一定でややゆっくりめのペースで歩きましょう。

公共交通機関の使用時には、「周囲に配慮する」ことを意識させ、荷物の持ち方や席の譲り方なども指導します。貸切バスを利用する際は、シートベルト着用の確認が大切です。

到着~施設の方への挨拶

・整列
・施設の方に挨拶
・見学ルート、注意事項の説明を聞く

児童が整列する場合は、引率の先生同士で立ち位置を決めておきます。疲れやすい子など配慮が必要な児童を把握し、常に視界に入れながら、必要に応じて声を掛けるようにしましょう。

見学・観察・体験活動

・ワークシートを使いながら見学
・班ごとに見学
・安全に気を付けて体験活動
・質問タイム

ここでは、先生は児童の動きを細かく見て、必要に応じてすぐに指導や支援に入れるようにすることが大切です。指導のポイントとしては、「学習のポイントを見逃していないか」「施設の迷惑になる行動をしていないか」「危険な行動はしていないか」などがあります。

班行動の場合は、他の先生と連携をとりながら巡回して、児童の活動を見守ります。児童の心理的な安全確保の点から、「あと5分で移動するよ」など見通しを示す声掛けを入れられると、児童は安心して活動ができます。

昼食・休憩

・場所を決めて昼食
・食後の片付け、ゴミの管理
・トイレ休憩

食事の際には食物アレルギーのある児童の安全管理をしたり、時間管理を行ったりします。ゴミを落とさないよう、しっかりと指導やチェックを行いましょう。トイレ休憩時には、トイレの混雑を避けるために誘導を行います。

現地でのまとめ・振り返り

・今日の学びの共有
・ワークシートの記入
・施設の方へのお礼

現地での「まとめ」は事後学習につながる大切な時間ですが、なるべく短時間で済ませられるよう声掛けをしましょう。学びを言語化できるよう、必要に応じて全体や個別に対して、学びのポイントを踏まえた簡単な問いかけを行うとよいです。帰る前に忘れ物チェックはしっかりと行いましょう。最後に施設の方に全員でお礼を伝えて帰ります。

帰りの移動

・整列、点呼
・隊形に気を付けて移動

帰りは疲れている児童も多いため、徒歩の際にはペースを落とし、安全確保と見守りをしっかりと行います。公共交通機関を利用する際は、眠ってしまう子への注意も必要です。

学校到着~解散

・最終点呼
・持ち物確認
・校外学習全体の総括
・解散

忘れ物や落とし物がないか最終確認をします。解散時に保護者への引き渡しが必要な場合は、確実に行えるよう連携をとりましょう。

校外学習は、普段の活動とは違う環境で行い、周りへの配慮も必要になるため、児童は心身ともに疲れやすくなります。時間を意識しながらも、一つひとつの行動や確認を丁寧に行うようにしましょう。

校外学習の学びを深める!事後学習・振り返りの方法やアイデア集

校外学習の事後学習や振り返りは、当日の体験を学びとして定着させるための重要な学習です。事後学習や振り返りを丁寧に行うと、児童の学習への理解が深まったり、主体性を高めたりすることにもつながります。ここでは、事後学習や振り返りのアイデアについてまとめていきます。

短時間でできる個人での振り返り

振り返りを短時間でシンプルに行うのであれば、児童一人ひとりが校外学習を振り返ってワークシートにまとめたり、全体で一言ずつ発表したりする活動が挙げられます。「学んだことや印象に残ったことを3つ挙げる」などの活動であれば個人で簡単に取り組めるので、校外学習直後の記憶が新しいうちに学びが整理できるでしょう。

方法としては、以下のような活動があります。

・3ポイント振り返り:ワークシートに「見たこと・学んだこと」「気付いたこと」「考えたこと」の3つをまとめる
・今回の校外学習のベスト3:「驚いたこと」「学んだこと」「心に残ったこと」のベスト3を挙げる
・3語振り返り:校外学習を「3つの単語」で表現し、ペアや全体で交流する

【例】「大きい」:教科書で見るよりも大きい機械で、音も大きかった。
「工夫」:効率よく作業を進めるための工夫がたくさんされていた。
「安全」:トラブルがあったら自動的に鳴るブザーがあった。など

・5W1H振り返り:5W1H(What(何を見た)、Why(なぜ)、When(いつ)、Where(どこで)、Who(だれが)、How(どのように))の視点から振り返りを行う

【例】「What(何を見た)」:自動車の製造ラインを見た。
「Why(なぜそうなっていた)」:組み立て工程では、効率よく作業できるよう、分業していた。
「How(どんな工夫があった)」:ロボットと人が協力して作業していた。

・写真1枚振り返り:校外学習の様子を撮影した1枚の写真から振り返る
・「できたこと」振り返り:「できたこと」を中心とした振り返り

【例】「今日できたこと」「友達と協力できたこと」

・一言振り返り:学びや気づきを一言ずつ振り返る

複数人・全体での学びの共有

ペアやグループ、学級全体または学校全体での振り返りの共有は、個人の気付きや学びを全体の財産に変える時間です。発表したり、意見交換をしたりすることで他者の視点が入り、児童の理解も一気に深まります。

活動例をいくつか紹介します。

・ペア共有:個人での振り返りをまとめた中から1つだけペアに話し、相手の話を聞いて得られた気付きを1つ書き足す

・グループでの気付き交換:1人1分で「校外学習の気付き」を話し、他の人は質問を1つだけする。最後にグループでの共通点を見つけてまとめる

・付箋を使って整理:個人で付箋に気付きを1つだけ書き、ホワイトボードに貼る。貼られた付箋をグルーピングし、カテゴライズする

・気付きシャワー:1人が振り返りを発表し、他の人は「それを聞いて思ったこと」を短く返していく

・K-W-L共有:「K(知っていたこと)」「W(知りたかったこと)」「L(わかったこと)」を全体で出し合い板書で整理する

・「問い」をつくる共有:今回の校外学習から「もっと知りたいこと」を1つ書いて共有し、代表の問いを「次の学習につながる問い」として扱う

学んだことをまとめて伝える活動

学んだことをまとめて伝える活動を行うことで、校外学習の「体験」を「学び」に変えられます。また、「相手に伝える」という目的の活動では、他者意識や目的意識が必要なため、思考がさらに深まるでしょう。

短時間でできるものから、深い学びにつながるものまで、まとめて伝える活動のアイデアを紹介します。

・3コマスケッチ:印象に残った場面を3コマで描き、1マスにつき短いコメントを添える

・写真1枚+ひとこと:タブレットで撮った写真から1枚選び、その写真が語っていることを一言で書く

・校外学習ミニ新聞:校外学習での学びを新聞の形に整理する

・校外学習レポート:学んだことをレポートの形で整理する

・ポスター発表:テーマを1つ選んでポスターにまとめ、発表する

・スライド発表:写真や短い文章を組み合わせて、学んだことをまとめたスライドを作り、発表する

・施設の方へのありがとうカード:感謝を伝えるカードの中に学んだことを入れ込む

学びのある事後学習にするためには、児童の「伝えたい」という気持ちを大切にすることが重要です。校外学習は、児童にとって達成感が大きくなりやすく、自然と「伝えたい」という思いにつながっていきます。先生が誘導しすぎず、児童が伝えたいことを進んで伝えられる時間にしてください。

計画的に進めて、実りある校外学習にしよう

校外学習は、学校内では学べないことを実際に見て感じる経験ができたり、友達と協力することで新たな気付きを得られたりする貴重な経験です。校外学習に向けて先生が計画的に準備を進めることが、児童にとって多くの学びにつながります。

校外学習には、教科の学びを深める活動から、人間関係づくりにつながる活動までその内容や目的はさまざま。そのため、先生が校外学習の目的をしっかりと整理し、事前学習などを行っておくことが重要です。 校外学習は、事前準備から当日の進行、事後学習まで先生が確認すべき内容が多くあるため、この記事を参考に入念な計画を立てて、実りある校外学習につなげてください。

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