
最新の時事に関するクイズを掲載します。解答後に表示される解説を授業の合間に話すネタ、関連事項を説明する際の資料などとしてご活用ください。
■高市内閣発足■
2025年10月21日、自由民主党の高市早苗総裁が第104代内閣総理大臣に就任しました。日本の国会における内閣総理大臣の選出方法として間違っているものは、次の①~④のどれでしょうか。
- ① 内閣総理大臣の指名選挙において、1回目の投票で過半数を得た候補者がいない場合は、上位2名による決選投票で多数の票を得た者が指名される。
- ② 衆議院と参議院で指名された者が異なる場合には、両院協議会が開かれ、それでも一致しない場合は衆議院で指名された者が内閣総理大臣となる。
- ③ 内閣総理大臣の指名を受けた者は、親任式で天皇の任命を受けて正式に内閣総理大臣に就任する。
- ④ 国会議員以外も内閣総理大臣に選出されることがある。
正解!
不正解...
正解は④ 国会議員以外も内閣総理大臣に選出されることがある。です。
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■ガザ停戦合意■
2025年10月10日、イスラエルとハマスとの停戦合意が発効しました。パレスチナについて間違っているものは、次の①~④のどれでしょうか。
- ① パレスチナはガザ地区とヨルダン川西岸地区に分かれており、ガザ地区は2007年以降ハマスが実効支配してきた。
- ② ヨルダン川西岸地区では面積の6割以上がイスラエルの軍事支配下に置かれ、イスラエルの入植活動が進められてきた。
- ③ パレスチナは2012年に国際連合に正式に加盟した。
- ④ 近年、世界の多くの国々がパレスチナを国家として承認しており、2025年の国連総会でも新たな国家承認が相次いだが、日本は国家承認をしなかった。
正解!
不正解...
正解は③ パレスチナは2012年に国際連合に正式に加盟した。です。
パレスチナは国際連合に正式に加盟していませんが、2012年にオブザーバー国家としての地位が認められました。
2025年9月29日、アメリカのトランプ大統領はイスラエルとハマスに対して停戦や人質の解放を含む20項目の和平計画を発表し、イスラエルのネタニヤフ首相が受け入れを表明しました。トランプ大統領が期限を区切って合意を迫る中、10月3日にハマスは人質の解放などについて合意しました。10月9日、イスラエルとハマスは即時停戦、人質解放、囚人解放、支援物資の搬入などを含む和平案の第1段階に合意し、10月10日から停戦の合意が発効。13日までにハマスに拘束されていた人質48人のうち生存者20人が全員解放されました。
2023年10月7日のハマスによる奇襲攻撃をきっかけに始まったイスラエルの軍事作戦によりガザ地区は壊滅的な被害を受け、人々は深刻な飢餓状態に置かれてきました。パレスチナ情報センターによると、戦闘開始から2年でガザ地区での死者数は6万7000人を超え、負傷者数は約17万人にのぼっています。
10月13日にはエジプトでガザ地区での戦闘終結に向けた国際首脳会議が開催され、トランプ大統領やパレスチナのアッバース議長のほか、トルコのエルドアン大統領ら20以上の国・地域の代表、国際連合のグテーレス事務総長、アラブ連盟や欧州理事会の代表が出席しました。首脳会議では合意された和平案を全面的に支持する共同文書が署名され、ガザ地区の再建と復興や最終的な紛争の政治的解決などの協議が開始されました。しかし、和平案の第2段階とされているハマスの武装解除やガザ地区の今後の統治についてはハマス側が否定的な姿勢を示しており、イスラエルとの間で主張の隔たりが依然として大きいため、今後も実施が不透明な状況が続いていくとみられています。
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■2025年ノーベル賞■
2025年10月6日から13日にかけて、2025年のノーベル賞受賞者が発表されました。ノーベル賞について間違っているものは、次の①~④のどれでしょうか。
- ① ノーベル賞には6つの賞があり、毎年各賞最大3人まで授与される。
- ② 平和賞はノルウェー、それ以外の賞はスウェーデンの機関が選考を行っている。
- ③ 第1回目のノーベル賞は1901年に授与され、日本人が初めて受賞したのは1949年である
- ④ 日本人(外国に国籍をもつ人も含む)のノーベル賞受賞者が最も多い賞は化学賞で、日本人が受賞したことがない賞は経済学賞である。
正解!
不正解...
正解は④ 日本人(外国に国籍をもつ人も含む)のノーベル賞受賞者が最も多い賞は化学賞で、日本人が受賞したことがない賞は経済学賞である。です。
日本人のノーベル賞受賞者が最も多いのは物理学賞で、アメリカ国籍取得者を含めて12人です。経済学賞の受賞者はいません。
2025年10月6日から13日にかけて、2025年のノーベル賞受賞者が発表されました。
初日に発表された生理学・医学賞では、「制御性T細胞」の発見など免疫学の分野で優れた業績をあげた大阪大学特任教授の坂口志文氏とアメリカの研究者2人が選ばれました。また、8日に発表された化学賞では、「金属有機構造体(MOF)」を開発し材料科学に新たな分野を確立した京都大学理事の北川進氏とオーストラリア、アメリカの大学に所属する2人の研究者が選ばれました。日本からのノーベル賞受賞は2024年の日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)の平和賞に続き2年連続で、歴代の受賞者は30人・1団体になりました(アメリカ国籍取得者も含む)。
なお、物理学賞は粒子が障壁を通り抜けるトンネル効果を実証したアメリカの大学に所属する3人の研究者、文学賞はハンガリーのクラスナホルカイ・ラースロー氏、平和賞はベネズエラの民主化を目指す運動に取り組んできた野党指導者のマリア・コリナ・マチャド氏、経済学賞は経済成長における技術革新の役割について研究したアメリカとフランスの大学に所属する3人の研究者が選ばれました。
●生理学・医学賞
坂口氏が発見した「制御性T細胞」は免疫細胞の活動を制御する役割を担うものです。免疫は本来外敵を排除するはずですが、外敵と体をつくる細胞の区別がうまくできないと自分の細胞を攻撃するようになります。制御性T細胞はこの異常な免疫反応を制御します。坂口氏はさらに制御性T細胞の数を増やしたり減らしたりすると免疫反応にどのような影響があるかなども明らかにし、自己免疫疾患やがんなどの難病に対して新たな治療法の開発につながる道を開きました。
●化学賞
北川氏が開発した「金属有機構造体(MOF)」はきわめて小さな穴を多く持つ材料で、穴の中に特定の気体や分子を取り込んで貯蔵したり取り出したりすることができます。穴の大きさや形状を自由に設計できるため、二酸化炭素の回収・貯蔵や、工場などから排出される有害ガスの除去、水素の効率的な貯蔵などさまざまな分野での応用が期待されており、実用化も始まっています。
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※執筆:NPO現代用語検定協会
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国会議員以外も内閣総理大臣に選出されることがある。です。
日本国憲法において、内閣総理大臣は国会議員の中から指名を受けることが定められています。
石破茂総理大臣の辞意表明を受けて2025年10月4日に行われた自由民主党の総裁選挙で、高市早苗衆議院議員が小泉進次郎衆議院議員を決選投票で破り、新しい総裁に選出されました。自由民主党結党以来、女性の総裁は初めてです。
その時点で自由民主党と公明党の連立政権は衆議院と参議院の両院で少数与党となっており、内閣総理大臣の指名を受けるために野党の取り込みも模索されていましたが、10月10日に公明党が政治とカネをめぐる問題への対応などを理由に連立政権からの離脱を表明し、約26年間続いた自由民主党と公明党の連立関係は解消されました。その後、与野党の駆け引きがさらに激化しましたが、10月20日に自由民主党と日本維新の会の間で連立政権の樹立が合意されました。
10月21日に召集された臨時国会では、高市総裁が衆議院では1回目の投票で過半数を獲得、参議院では決選投票を経て、第104代内閣総理大臣に選出されました。女性の内閣総理大臣就任は日本の憲政史上初となります。同日発足した高市内閣では木原稔衆議院議員を内閣官房長官に起用し、総裁選挙を競った林芳正衆議院議員を総務大臣、小泉進次郎衆議院議員を防衛大臣、茂木敏光衆議院議員を外務大臣に起用したほか、10人の議員が初入閣しました。
10月24日、初めての所信表明演説で高市総理大臣は、「強い経済」を構築するために戦略的に財政出動を行うと表明。物価高対策に最優先で取り組むとし、ガソリン税の暫定税率の廃止法案を今国会で成立させるとしました。また、日本経済の力強い成長を目指すため、「日本成長戦略会議」を設置することを表明しました。防衛力の抜本的強化として国家安全保障戦略に定める対GDP比2%水準の前倒しなどにも取り組む姿勢を示しています。