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公開日:2024年07月30日  
更新日:2024年07月29日

メンタルトレーニングコーチ大儀見浩介さん直伝!子どものやる気を引き出す方法

子どものメンタル面について、次のような思いを抱えていませんか?
「受験・部活のために、子どものメンタルを強化したい」
「どんなことでも前向きに取り組めるようになってほしい」

今回は、そんな思いを持っている学校の先生や塾講師の方に向けて、メンタルトレーニングに基づく、子どものやる気を引き出す方法を解説します。

今回紹介する内容は、プロスポーツ選手やビジネスパーソン、企業、教育機関などに向けたメンタルサポート・コンサルティングを行う株式会社メンタリスタの代表取締役で、メンタルトレーニングコーチとしてもご活躍されている大儀見浩介さんの知見やご経験に基づくものです。

メンタルトレーニングに基づく子どものやる気を引き出す方法を知り、児童・生徒のメンタルを成長させられる先生や講師を目指しましょう。

20年前の子どもと今の子どものメンタルの違い

子どものやる気を引き出すためには、まずは子どものメンタルがどのような状態なのかを知っておく必要があります。また、今の子どものメンタルが、自身の子どものころと同じようなメンタルだと思っていると、適切な指導ができなくなる恐れがあります。

ここでは、心理的競技能力診断検査(DIPCA.3)の結果に基づいて、20年前の子どもと今の子どものメンタルの違いについて解説します。

なお、心理的競技能力診断検査(DIPCA.3)は、精神力を構成していると考えられる12の項目(忍耐力、闘争心、自己実現意欲、勝利意欲、リラックス能力、集中力、自己コントロール能力、自信、決断力、予想力、判断力、協調性)を診断する検査です。(参考:株式会社トーヨーフィジカルHP

20年前の子どものメンタル

20年前の子どものメンタルの傾向として、以下の2点が挙げられます。

  • 忍耐力、闘争心、自己実現意欲、勝利意欲などの競技意欲の項目の数値が高い
  • 一方で、ほかの項目は低く、特に自信、予想力、判断力、決断力が低い

このような傾向になっていた背景には、当時の指導方法に関係があると考えられます。20年前の指導方法は、指導者が高圧的な態度で子どもと接していたり、指導者の思うとおりにできない子どもを強く叱責したりすることもありました。また、指導者の指示に従うことが絶対であるというような空気感もありました。

こういった状況の場合、子どもが自分自身で考えたり判断したりする機会はなく「指導者の指示だけを聞いていればよい」という考えになり、指導者の指示で動くロボットのような状態になっていたのです。

また、競技意欲の高さは「失敗して怒られたくない」「指導者に目をつけられないために頑張ろう」といった、外発的動機付けによるモチベーションの高さが理由の一つだったと考えられます。

今の子どものメンタル

今の子どものメンタルの傾向としては、以下の2点が挙げられます。

  • 忍耐力が低い
  • 一方で、決断力、予想力、判断力などの作戦能力や自信の項目が高い

このような傾向になっている背景の1つとして、20年前のような高圧的な指導を行えない社会になってきている社会的風潮が影響していると考えられます。高圧的な指導が行われなくなったため、子どもたちは怒られたり厳しく指摘されたりすることがなくなり、耐えるという経験をする機会がなくなり忍耐力が低くなっているのです。

一方で、決断力、予想力、判断力などが高くなっている背景としては、指導者の指示が絶対という雰囲気もなくなってきていることが理由の一つに挙げられます。子ども1人ひとりが自分自身で考えたり判断したりする機会が増えているのです。しかし、これらの力も今一つ伸び切らない子どもも少なくないそうです。

メンタルトレーニングとは?

今回は、メンタルトレーニングに基づく知識やノウハウを紹介しますが、メンタルトレーニングについて聞いたことはあるものの、詳しくは知らない方もいらっしゃるでしょう。

メンタルトレーニングとは「心はトレーニングをすることで強くできる」という考えに基づいて、心技体の「心」を強くするためのトレーニングです。

もちろん、単に厳しい環境に身を置いて心を鍛えるといった、精神論ではありません。心を「欲求・思考・行動」の3つで構成されていると考え、自然に湧き上がってくる欲求や感情をコントロールできるよう、受け止め方や考え方を整え、適切な行動をとれるようにするためのトレーニングなのです。

メンタルトレーニングでは、成果を出しているアスリートやデザイナー、アーティストなどのエキスパートの思考や行動について研究・分析したものを、真似をしたりアドバイスとして取り入れたりします。逆に、伸び悩む人の思考や行動を避けられるようにすることもできるのです。

このようなトレーニングを通して、思考や行動を整えることで、大事な場面で実力を発揮できたり、上達を促進できたり、人間的に成長できたりするなど目的を達成できるのです。

メンタルトレーニングの考え方を学校・塾に取り入れる効果

メンタルトレーニングの考え方を、学校や塾などの子どもの指導を行う場に取り入れることで得られる効果は、たくさんあります。ここでは、子どもへの効果と教師・講師が得られる効果に分けて解説します。

子どもへの効果

メンタルトレーニングの考え方を学校や塾に取り入れることで、子どもは大事な場面で実力を発揮できるようになります。たとえば、部活や受験、学校行事の発表会など、結果を出したい、出さなければいけない場面で、その子が持っている力を十分に発揮できるようになるのです。

部活や受験などでは、本番までたくさんの時間をかけて練習や勉強に取り組み、本番に挑むと思います。しかし、どんなに練習や日頃の勉強で実力を高めたとしても、本番でそれを発揮できなければ、実力で劣っている相手に負けてしまうこともあるのです。逆に、実力が上回っている相手が本番で力を発揮できていない場合に、自分が実力を最大限発揮できればよい結果を得られることもあるでしょう。

このように、メンタルトレーニングの考え方を取り入れ、実力発揮ができる状態になれば、受験や部活の試合などで本来の実力を発揮でき、子どもたちは望む結果を得られやすくなるのです。

教師・講師が得られる効果

教師や講師が得られる効果は、児童・生徒への指導がしやすくなることです。突然ですが、学校や塾で児童・生徒と関わる中で、次のように思ったことはないでしょうか?

  • とにかく集中してほしい
  • 何とかしてやる気を出してほしい

こういった気持ちになると、児童・生徒に対して「集中しなさい」「やる気を出しなさい」と言ってしまうことがあるかもしれません。しかし、集中の仕方ややる気の出し方を知らない児童・生徒に、このような声掛けをしても混乱するだけです。また、教師や講師自身も、集中の仕方ややる気の出し方を知らない場合が多いでしょう。

メンタルトレーニングの考え方を学べば、集中する方法ややる気を出す方法などを論理的に知ることができます。具体的な方法を知れば、児童・生徒に具体的な説明や指示ができるので、指導がしやすくなり、児童・生徒のやる気を引き出せるようになるでしょう。

教師・講師が知っておきたいメンタルトレーニングの前提知識

このあとに紹介する子どものやる気を引き出す方法は、メンタルトレーニングの理論的基盤の上に成り立っています。ここでは、子どものやる気を引き出す方法の理解を深めるために知っておきたいメンタルトレーニングの前提となる知識を紹介します。

①やる気の仕組みがわかる「自己決定理論」

画像提供:大儀見浩介さん

子どものやる気を引き出すためには、やる気の仕組みを知っておく必要があります。やる気の仕組みを理解するのに役立つのが、自己決定理論です。自己決定理論では、動機付けがない状態から評価や報酬、罰などによる外発的動機付けの段階、そこからさらに本人の内側から湧き出てくる内発的動機づけの段階に変わるまでのプロセスに注目します。

特に、以下の外発的動機づけの4段階を理解しておくと、児童・生徒に適切な指導ができるようになっていきます。

  1. 外的調整:無理やりやらされている状態
  2. 取り入れ的調整:指導者の指示に従う状態
  3. 同一視的調整:指導者の助言に価値を感じて取り入れたり自分なりのやり方をしたりする状態
  4. 統合的調整:取り組んでいることを自分の一部として認識し主体的に取り組む状態

押さえておきたいのは、外発的動機付けは悪いものではないということです。はじめは無理やりやらされていたとしても、取り組むうちに楽しくなって内発的動機に変化していくことがあるのです。つまり、この理論からは、指導者は子どもの興味を引き出し、外発的動機付けから内発的動機付けに導くためのサポートを行う必要がある、ということがわかります。

②成長を大きく左右する「成長思考と固定思考」

人間の成長に大きく関わると言われているのが、成長思考と固定思考です。成長思考・固定思考とは、それぞれ以下のような意味です。

  • 成長思考:能力は努力によって高められると考える思考
  • 固定思考:能力は生まれつきのもので変えることができないと考える思考

成長思考は、自分の能力は努力によって高められると考えているため、新しいことへの挑戦を積極的に受け入れ、困難なことであっても粘り強くやり抜くことができます。また、失敗してもその経験から学ぶことができるのです。さらに、成長思考であれば、結果や成績よりも自分自身の成長や進化、グレードアップを重要視します。

一方、固定思考は能力は生まれつきだと考えるため「失敗=自分の生まれ持った能力が低いことを知られること」と考えます。そのため、挑戦を避け、うまくいかないことがあると「生まれ持った能力が足りないから無理だ」と考え、諦めてしまうのです。固定思考の重要視することは成長思考とは真逆で、結果・他者との比較・評価・ランキングなどに目が向いてしまいます。

このように、固定思考になっていると成長に必要な挑戦や粘り強く継続することを避けるようになるため、学校の先生や塾の講師は、子どもたちの思考を固定思考から成長思考に変えていく必要があるのです。

③人間のやる気の正体「自己効力感」

人間のやる気の正体と言われるのが、自己効力感です。自己効力感とは「自分ならできるだろうという予想・確信」のことで、モチベーションや前向きな気持ちにつながります。

つまり、子どもたちのやる気を引き出すためには、子どもたちに「できるかもしれない」という気持ちを経験させる必要があるのです。たとえば、複雑な迷路に挑戦する場合、以下のどちらの方が「ゴールできるかもしれない」と思えるでしょうか。

  • ゴールに行くためのヒントとなる矢印が書き込まれている迷路
  • ヒントや矢印などがまったく書かれていない迷路

ほとんどの人が、ヒントとなる矢印を書き込まれている迷路の方が「ゴールできそうだ」と感じたと思います。これが自己効力感です。そして、子どもが自己効力感を感じられるようにするためには、目標設定が重要になります。小さな目標をいくつも立て自己効力感を維持したまま、大きな目標に向かって進めるようにすることが大切なのです。

④目標設定のポイントがわかる「フロー理論」

画像提供:大儀見浩介さん

さきほど解説した通り、子どもが「できるかもしれない」と感じられるようにするためには、最終地点の大きな目標に向かう途中に、小さな目標を立てることが大切です。しかし、児童・生徒たちにどのように目標設定をさせればよいかわからない先生や講師の方も少なくないと思います。

目標設定の考え方で参考になるのが、フロー理論です。フロー理論とは、自身の能力値を見極め、適切な難易度の課題を導き出す理論です。たとえば、フロー理論では、以下のように考えられます。

  • 能力に対して課題の難易度が高すぎる場合、目標を諦めてしまう
  • 能力に対して課題の難易度が低すぎる場合、簡単だから飽きて三日坊主になってしまう

このように、目標設定は能力に対して高すぎても低すぎても継続が難しくなるのです。子どもが自己効力感を持ちながら取り組み続けられるようにするポイントは、「探索・探求」「遊び」の中に目標を置くことです。興味や関心を持ち遊び感覚で取り組める目標であれば、子どもは「できるかもしれない」という気持ちを持ちながら、楽しみながら取り組めるでしょう。

メンタルトレーニングコーチ直伝!子どものやる気を引き出す方法

最後に、メンタルトレーニングコーチ大儀見浩介さん直伝の、子どものやる気を引き出す方法を解説します。今まで行ってきた指導や子どもとの接し方と異なり、はじめは戸惑うこともあるかもしれませんが、ぜひ実践してみてください。

①子どもたちに成長思考の考え方を伝える

1つ目の方法は、子どもたちに成長思考の考え方を伝えることです。さきほども解説した通り、子どもの思考が「成長思考か固定思考か」で成長は大きく変わってきます。もちろん、指導する立場である先生や講師が成長思考であることも、とても大切です。しかし、子どもたち自身が成長思考であることが何よりも大切になります。

もともと成長思考が強い子どもは、今の時点でもさまざまなことに対してやる気があると思います。それに対して、固定思考の子どもが今のままの思考でいると、今後の成長が妨げられる可能性があるのです。

そのため、先生や講師から成長思考の重要性やその考え方を、日常生活の中で小まめに伝えていき、子どもたちの考え方が成長思考になるように促しましょう。また、子どもたちは、学校の先生や塾の講師など信頼している大人から「能力は生まれつきのものだけではなく、努力次第で伸ばせるんだよ」という言葉を聞けば、「自分も努力すれば成長できる」と安心できるはずです。

②子どもを信頼して口出しをせずに見守る

2つ目の方法は、子どもを信頼して口出しせずに見守ることです。学校の先生や塾の講師という立場にいると、子どもたちに指示を出すことが当たり前になり「何もせずに見守るなんて、本当に良いの?」と思うかもしれません。

しかし、やる気の正体である自己効力感を引き出すためには、子どもが自分自身のことを考えて選択・行動し、成功を経験したり失敗を乗り越えたりする経験が必要なのです。逆に、周りの先生や講師、保護者などの大人が口出しをしてばかりいると、子どもはやる気がなくなってしまいます。

また、今回インタビューをさせていただいた大儀見さんの実践の中では、次のような事例があったそうです。

  • 先生が決めた宿題をこなしたクラスに比べて、生徒たちが自分たちで宿題を決めているクラスの方が成績が伸びた
  • 学年で長縄をする際、先生が口出ししなかったクラスの方が、跳べた回数が多かった

このように、子どもたちは自分で考え行動する機会を得れば、目の前のことを自分事として捉え、自ら主体的に取り組み、自然と結果もついてくるようになるのです。

そのため、先生や講師の方は、はじめは子どもたちにやる気がなかったとしても「ちゃんとしなさい」「しっかり取り組みなさい」などとは言わずに、子どもたちを信じて見守ってみてください。子どもたちには、自分で考え行動する力があります。「聞かれたら答えるくらいがちょうどいい」という気持ちで、見守るサポートを心掛けてみましょう。

③叱責・指示での強制などは行わない

3つ目は、叱責や指示の強制などは行わないことです。20年前の子どものメンタル傾向からもわかる通り、叱責や指示の強制などの高圧的な指導を行うと、子どもたちは自信、予想力、判断力、決断力などが低くなり、指導者の指示でしか動けなくなってしまいます。

また、子どもたちが自主性を持って取り組んでいることに対して、指導者が無理にパターン化しようとしたり、子どものやり方を否定したりする場合も、やる気をなくす原因になります。

もう1点注意したいのが、子どもが課題をできるようになり飽きてさぼっている時の対応です。児童・生徒がさぼっている様子を見ると「さぼるのは良くないこと。叱らないと…!」と思うかもしれません。しかし、さぼれるということはそれだけ上達したということです。そんな状況で、先生や講師から怒られると、子どもは「先生は自分のことを認めてくれない。もういい。やめよう」という気持ちになります。

そのため「さぼれるだけ上達したんだね。レベルを1つ上げてみよう」といった声掛けをするようにしてみてください。こういった声掛けは、子どもたちのやる気をさらに高め、前向きな姿勢につながっていきます。

④子どもが自分で模索や決定をする機会を増やす

4つ目の方法は、子どもが自分で模索や決定をする機会を増やすことです。先生や講師は、子どもについて「どうすれば成長するか、できないことができるようになるか」と考えることがたくさんあると思います。しかし、子どもが自分自身について考える機会はあまりありません。そのため、自分自身のことを自分で選択したり模索したりする時間が少なく、自己決定をする機会がないのです。

これまでやる気の正体や仕組みについて解説してきましたが、自分のやる気は自分で高めるしかないというのも事実です。そして、子どもたちがやる気を出すためには、子ども自身が自分のことを自分で決める機会が必要なのです。

また、小さいころから親や先生などの周りの大人の指示を聞いてばかりいて自分で選択をしてこなかった子どもは、将来的に夢や目標を持ちづらくなるという研究結果もあります。これは、学習性無気力と呼ばれ、「自分で選択しなくても生きていける」ということを無意識のうちに学習しているのです。

こういったことにならないためにも、子どもに指示を出しすぎることがないように注意し、子どもが自分自身で模索や決定をする機会を増やすように、心掛けてみてください。

ここで理解しておきたいこととして、自分で模索・決定や探究できるようなサポートは放任することではありません。許容範囲を子供たちと決めておくことが重要となります。してはいけないことやあまり良くないことから、より良いことややったほうが良いことまでの範囲を設け、その中で模索・決定、探究できる環境を整えていくことこそ自律の支援に繋がっていくのです。

⑤目標設定のサポートは第一歩だけ行う

5つ目の方法は、目標設定のサポートは第一歩だけ行うことです。さきほど、子どものやる気を引き出すためには、自己効力感を感じられる小さな目標を立てることが大切だと解説しました。つまり、目標のすべてを学校の先生や塾の講師が決めてしまうと、子どもは勉強でも部活であっても自分事と捉えることができず、やる気を維持できなくなるのです。

ただし、いきなり目標を立てろと言われてすぐに実践できる生徒は少ないでしょう。そのため目標設定を行う際は第一歩をサポートしてあげましょう。第一歩の目標が決まれば、あとは子どもたちが取り組んでいることに対して興味を持てるように、情報を伝えたり質問をしたりするだけのサポートで十分です。

子どもたちは、小さな目標を自分で立てて達成していくと、さらに興味が強くなり「大きな目標も達成できそう」という自己効力感も生まれるため、どんどん自分で進めていけるようになります。これは、子どもだけに当てはまることではなく人間が何かにはまり、没頭するプロセスなのです。

とはいえ、児童・生徒が途中でうまくいっていないと「こんな目標はどう?」と言いたくなるかもしれません。ですが、試行錯誤をする楽しさや、自分で決めた目標を達成する喜び、失敗した時の悔しさなどを、子どもたちが経験できるように、第一歩目だけをサポートするように心掛けてください。

⑥保護者にも成長思考の考え方を伝える

6つ目の方法は、保護者にも成長思考の考え方を伝えることです。子どものやる気を引き出すためには、先生や講師だけではなく保護者の協力を得ることが大切になります。また、9歳から12歳の子どもは性別問わず母親の接し方が大きく影響すると言われているため、保護者の協力は必要不可欠なのです。

特に、親が固定思考か成長思考かによって、子どもの考え方も変わります。そのため、保護者に対しても子どもと同様に成長思考の重要性を伝えた上で「子どもが自分自身で試行錯誤や模索、選択できる機会を作っていきましょう」と伝え、成長思考で子どもと接するように促しましょう。

また保護者は、先生や講師から評価された子どもの成績や態度をもとに、保護者自身の能力や教育力などを査定されていると感じている場合があります。こういった気持ちがあると、保護者から信頼を得ることが難しくなります。そのため、保護者と話す前に「親御さんは親御さん、お子さんはお子さんですよ。」と親子を別人格として理解しているとを伝えることも、保護者の協力を得るためには重要です。

まとめ

子どものメンタルは、トレーニングをすることで強化できます。そのため、まずは子どものやる気の仕組みやそこに関連する知識を知ることから始めましょう。そして、指示を出したり正解を教えたりするのではなく、児童・生徒が自分自身のことについて模索や選択、決定できるように、見守ることを大切にしてみてください。

はじめは「いつものように指示を出さなくてもいいのかな…」「正解を教えてあげた方が子どものためになるのでは…?」と、思うかもしれません。しかし、子どもたちには自分で選択し試行錯誤しながら、失敗を乗り越え成功を経験し、成長していく力があります。ぜひ、児童・生徒の力を信じて取り組んでみてください。

また、今回インタビューに協力いただいた大儀見浩介さんが代表取締役を務める株式会社メンタリスタでは、学校や教員向けのメンタルトレーニングコーチ養成講座を行っています。詳しくは、こちらをご覧ください。

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