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学級新聞作りは、国語力を育てるだけでなく、子どもたちの主体性や協働性など、さまざまな力を育むきっかけになる活動として活用されています。学級新聞に楽しくてためになるネタを盛り込めば、学級の雰囲気を明るくしたり、団結力を高めたりすることにも役立ちます。
この記事では、学級新聞の作り方の流れや、学級新聞で使えるネタを詳しくまとめていきます。
「どのような手順で学級新聞作りを進めたらいいのか知りたい」
「学級新聞に使えるネタを知って参考にしたい」
と考える先生は、ぜひ参考にしてみてください。
学級新聞は、どのような場面で作る?
学級新聞は、友達や保護者などに知らせたい情報を伝えるために、子どもたちが主体となって作るものです。主に、係活動や有志活動などで担当になった子どもたちが作る場合と、授業の時間に全員が作る場合があります。
特に、学級新聞が係活動のひとつとして定着している場合は、定期的に発行するケースもあるでしょう。
ここでは、学級新聞がどのような場面で作られることが多いのか、詳しくまとめていきます。
係活動として行う場合
学級の係活動や有志が学級新聞を作る場合、以下のようなタイミングで作ることが多いです。
- 学級開きや学期末など節目のタイミング
- 学校行事の前後
- 学級会、係活動などで、大事な伝達事項がある場合
- 学級の課題解決、意識づくりを呼びかけたいとき
このように、何か出来事があったときに生まれる、子どもの「伝えたい」「記録したい」という想いが学級新聞作りのきっかけになることが多いと言えるでしょう。
また学級新聞を定期発行している場合は、月1回ほどのペースで、こうした内容以外に、直近の学級の話題や共有したい情報を取り上げることもあるでしょう。
学級新聞は、学級の自治的な活動のひとつとして活用することができます。子どもたちが「作りたい」という意思を持ち、安心して学級新聞を作れる環境が整っていることで、学級新聞は学級の文化として根付きやすくなります。子どもが主体的に作り、クラスメートに楽しんで読んでもらうことで、学級の団結を深めることにも役立つのです。
授業の中で作る場合
学級新聞作りは、学習内容のまとめとしても活用できます。
例えば、社会の地域調べや歴史で学んだ内容をまとめたり、総合の探究活動の成果を発信したりするときに、新聞の形式はとても活用しやすいでしょう。その理由は、新聞が「誰かに伝えるためのツール」だからです。
新聞形式にまとめることで、子どもは読者に伝わりやすい書き方を工夫します。文章だけでなく、レイアウトを工夫したり、写真を載せたりすることで、新聞はさらに見やすいものになるでしょう。さまざまな工夫ができるからこそ、子どもはどのように書いたら伝わりやすくなるかを考え、試行錯誤します。それにより、テストではなかなか現れない、子どもの主体性や表現力が発揮されるのです。
また、個人単位で制作するのではなく、グループ単位で制作したり、個人や複数人で作ったものを最後に合わせて1つの新聞にまとめたりする、という方法もあります。新聞を作る目的や作業時間に応じて、方法を変えていくと良いでしょう。
学級新聞には、子どもの視点や価値観が反映されます。子どもの学びの理解度や、子どもの目から見た学級の印象など、先生にとっては子どもの目線や考えを知ることのできる貴重な資料となるでしょう。
学級新聞作りの目的と身につく力
学級新聞作りでは、ただ文章を書くだけでは身につかない多面的な力が自然と身につくことが期待できます。新聞が完成するまでの多くのステップの中で、子どもは学級の友達や取材対象者など、多くの人と連携し、多様な力を発揮していきます。
活動を通して多面的な力を育成することが学級新聞作りの大きな目的の一つであると言えるでしょう。
例えば、新聞作りによって育まれる力として、以下のようなものが挙げられます。
- 読者を想定することから生まれる他者意識
- 内容の伝わりやすさを意識した見出しを作る理解力・発想力
- 事実と意見を区別し、視点を統一して記事を書く国語力
- 取材やインタビューに必要なコミュニケーション力
- 役割分担して自分たちで新聞作りを行う自治的能力や協働性
- 完成した新聞を読者に評価してもらうことで生まれる自己肯定感
このように学級新聞作りは、国語学習の枠にとどまらず、幅広い力を身につけられる活動なのです。
学級新聞作りを通じて身につく多様な能力は、いずれも子どもたちが社会を生きていくうえで役立つ力です。楽しく活用しながら、子どもたちの可能性を伸ばしていきましょう。
学級新聞の形式|主な3つのタイプ
学級新聞には、主に3つの形式があります。場面や目的に合わせて、作りやすさを考慮しながら、どの形式のものを作るか選択しましょう。
それぞれのタイプについて、詳しく説明していきます。
手書き新聞型
子どもが紙に手書きで書いて作る新聞です。マス目があるファクス用紙などを使う場合が多く、壁に貼ったり、コピーして配布したりします。手書きなので温かみがあり、個性を出しやすいという特徴があります。
イラストも多く取り入れることができ、ICTを扱う力も必要ないので、低学年~中学年に向いているでしょう。
デジタル新聞型
タブレットやPCで作成し、印刷またはデータ化して配布する新聞です。編集作業がしやすく、図や写真も簡単に入れられるため、レイアウトにこだわりたい場合におすすめの方法です。文字のフォントや色も豊富に選べ、デザインの技術がなくても視覚的にきれいに仕上げやすいでしょう。
データで簡単に共有できるため、中学年~中学校でよく取り入れられている形式です。
デジタル型の新聞作りでおすすめのツールとしては、共同編集が可能な「Googleドキュメント」や、新聞のテンプレートがあるiPadの「Pages」があります。
壁新聞型
大きな模造紙に記事や写真を貼って、壁に掲示するタイプです。インパクトがあるため、多くの人に見てほしいときに効果的です。クラス全員で作れる、イラストや色紙などを使って装飾できる、などの特徴があります。
文章量やレイアウトを学級の実態に合わせて変えられるという点で、低学年~中学年におすすめですが、多様な工夫ができるため、高学年にも十分に活用できるでしょう。
学級新聞をどの形式で作るかによって、必要とされる力や役割分担は変わってきます。学年・内容・場面などに応じて、それぞれのタイプの新聞作りを経験することで、さらに多様なスキルが身につくでしょう。
学級新聞作りの流れ
学級新聞作りには、完成までにいくつものステップがあります。
ここでは、学級新聞はどのように作っていくのかを、7つのステップに分けて詳しくまとめていきます。
1. 新聞のテーマ・読者を決める
まずは、学級新聞で「何を誰に伝えるのか」を明確にしていきます。最初に新聞のテーマや目的、読者を明確にすることで、記事の内容や書き方が自然と決まっていきます。
新聞のテーマとしては、例えば、以下のようなものが挙げられるでしょう。
- 行事の振り返り
- 学級目標について
- 学級の友達の良いところ
- クラスの課題について
読者を設定する際は、クラスメート、保護者、他学年など、誰を読者にするかで新聞のトーンが変わってくることを子どもたちに共有しましょう。
2. 新聞に載せる内容を決め、役割分担をする
新聞作りに関わるメンバー全員で、新聞に載せる内容についてアイデア出しを行い、役割分担をします。まずは、付箋やホワイトボードを使って、思いつくままにテーマに合うアイデアをたくさん挙げていきます。具体例については、後述の「学級新聞の企画アイデア・ネタまとめ」の項目を参考にしてください。
その後、メンバーから出たアイデアを「ニュース記事」「インタビュー記事」のように、内容によってグループに分け、紙面の大きさに合わせて、それらの中から載せる記事を決定します。
作る記事が決まったら、次は役割分担を行います。記事ごとに「記者(記事を書く人)」「取材担当(情報を集める)」「写真担当」のように分担を決めておくと、制作がスムーズになるでしょう。
3. 取材・アンケート調査・インタビューなどで情報を集める
それぞれの役割ごとに、記事を書くための情報を集めていきます。情報を集めるために、取材、アンケート調査、インタビューなど、内容に合わせてどんな方法を使ったらいいかを考えます。選んだ方法に合わせて、インタビュー内容を考えたり、取材日時を調整したりといった準備が必要になるので、細かい計画を立てておくと、慌てずに進めることができるでしょう。
学習に関する内容や豆知識などの記事では、特に内容の正確さが重要です。インターネットや本で情報の収集・確認を行いますが、特にインターネットの場合は、情報ソースの信頼性を重視するなど、必要に応じて先生が適切なサポートを行いましょう。また、内容によっては「引用」「参考文献」などの記載も必要ですので、実態に応じて適切な書き方も指導していきましょう。
4. 集めた情報をもとに記事を書く
集めた情報をもとに、記事を書いていきます。読者の目線に立ち、文章表現や構成などを考えながら、分かりやすく書くことが大切です。
記事執筆のポイントとしては、以下のような点が挙げられます。
- 読者に合った書き方を意識する(語り口、説明の仕方・分量など)
- 事実と感想を分けて書く
- 分かりやすくて興味を引く見出しを考える
- 読者が内容に入りやすいリード文を書く
- 読みやすい段落構成にする
- 誤字脱字、事実の確認は丁寧に行う
- 読者が読みたくなる工夫を取り入れる(ランキングやクイズ、ミニエピソードなど)
これらのポイントを意識して、記事を書いていけるとよいでしょう。
5. 記事の校正を行う
記事の校正とは、書いた記事をより良くするために原稿を見直す作業です。流れとしては、まずは執筆者が自分で読んで確認し、その後に他の人にもチェックしてもらうと良いでしょう。チェックポイントとしては、以下のような点があります。
- 誤字脱字や表現の誤りはないか
- 文章の構成、流れは自然か
- 説明が足りず分かりにくいところはないか
- 客観的事実と書き手の感想(主観)が混在していないか
- 事実と違う点はないか
- 読者に伝わる文章になっているか
- 見出しと内容が合っているか
校正作業について大切なことは、校正は「書いた人の失敗探し」ではなく、「記事をより良くするために必要な作業」であるということです。他の子が書いた記事をチェックする場合は、「ここが良かったよ」→「でも、ここをこうするともっとよく伝わると思うよ」という順番で伝えると、お互いに安心して作業を進めることができます。
6. レイアウトを考え、編集を行う
レイアウトと編集は、学級新聞作りの中でも「情報を、どう見せるか」を決めるクリエイティブな工程です。
流れとしては、まず新聞全体の構成をざっくりと決めます。「どの記事をどこに置くか」「写真はどこに入れるか」「各見出しの大きさはどうするか」など、新聞全体における配置・バランスを考えながら、レイアウトを決めていきます。この時、読者の視線の移動を意識した配置にすると、レイアウトの質が高まるでしょう。
レイアウトが決まったら、紙面を仕上げる編集作業を行います。レイアウトに合わせて記事の長さを調節したり、見出しや写真位置の調整をしたりします。こうして紙面が整ったら、最終の誤字脱字チェックや事実確認を行い、最後に、紙面全体のバランスを見て必要に応じて調整し、完成となります。
7. 印刷、掲示などを行う
新聞の印刷・配布や掲示の工程も、先生が行うのではなく子どもの主体性に委ねると、子どもたちの達成感が高まります。
配布の方法としては、プリンターで紙面に印刷する方法、ICT端末でPDF化してデータで配布する方法があります。どれが読者にとって読みやすく、目的に合う方法かを考えましょう。
新聞を掲示する場合は、どこに掲示するかも大事なポイントです。読者にとって最も目に入りやすい場所を、子ども自身が考えて掲示するようにしましょう。
新聞作りは、文章が得意な子だけが輝く活動ではありません。イラスト・レイアウト・校正・アイデアなど、新聞作りのステップの中には、それぞれの子が強みを発揮できる場面があります。お互いに得意なことを生かし、認め合えると、学級の団結を深めることにつながるでしょう。
学級新聞作りの指導のポイント
学級新聞作りの指導の際に、先生に求められるのは、文章指導だけではありません。自治・協働・読者意識・情報編集といった多面的な学びを、どう立ち上げて支援していくかが重要です。
ここでは、先生が子どもの学級新聞作りの際に行うべき指導のポイントを4つまとめます。
新聞の方向性を整える
学級新聞作りは、子どもが主体的に行う活動です。そのため、目的や新聞の細かいレイアウトなどを先生主導で決めず、子どもにアイデアを出してもらうようにしましょう。
その上で、子どもが新聞作りの目的や軸からぶれないよう、必要な時に「今回の読者は誰だったかな?」「新聞のテーマに合っている記事は、どれだろうね」と先生が声掛けをして、方向性を整えてあげることが大切です。
新聞作りに必要な知識・技術のミニレッスンを行う
学級新聞作りのステップの中で必要な知識・技術を、先生が子どもたちに教える機会を設けましょう。
例えば、「新聞のレイアウトの基本」「取材メモの取り方」「写真の撮り方」などについて、それぞれの基本的な知識・やり方のポイントを事前に説明し、子どもたちが戸惑うことなく活動できるように支援することが大切です。先生の適切なサポートがあればこそ、子どもたちは積極的に学級新聞作りに取り組めるようになります。
話し合いを支援する
テーマ決めや編集作業など、子ども同士の話し合いが必要な時には、子どもたちの対話が深まるように、先生が必要に応じて話し合いをファシリテートしましょう。
とはいえ、先生が会議を仕切るのではなく、どの子も積極的に意見を出しやすい雰囲気づくりを行ったり、合意形成を手伝ったりするなどのサポートに回ることが大切です。子どもたちが「自分たちで決めた!」という感覚を持てるような支援を心がけましょう。
公平性・安全性を守るための配慮を行う
新聞では「特定の人」を題材として扱うこともあります。子どもたちが相手を思いやった表現ができるように指導するのも、先生の大事な役割です。
特に、以下のような点は必ず確認しましょう。
- 個人情報の扱い
- 写真や私的なエピソードの掲載許可
- 不適切な表現のチェック(偏見・差別表現など)
- 誰かを傷つける記述や、誤解につながるような表現がないか
学級新聞は多くの人の目に触れるものなので、新聞を発行することで誰かが傷つくことのないよう、先生がしっかりと確認するようにしましょう。
また、記事をまとめる際には、事実だけでなく、書く人が自分の考えを交えて書くような場面も出てきます。その際には「客観的事実・調べたこと」と「書き手の意見・感想」の区別をはっきりさせ、公平な立場で執筆することの大切さを、実態に応じて伝えていきましょう。
学級新聞作りは「他者意識」を持つことが重要な活動です。先生が指導する際には、作文指導をするイメージよりも「ここは、この書き方で伝わるかな?」というように、客観性や俯瞰的な視点といった「編集視点」を伝えられると良いでしょう。
学級新聞のおすすめ企画アイデア・ネタまとめ
学級新聞は、子どもの主体性を引き出し、学級の文化を育てる活動です。作る側の子どもたちも読者も共に楽しめる内容を考えることが大切です。
ここでは、学級新聞におすすめの企画アイデア・ネタを、目的別にまとめていきます。
クラスを盛り上げる企画
- 友達紹介:「今月の〇〇さん」(“〇〇さん”には、“かがやきさん“ “注目!さん”など、ポジティブな言葉を入れる)「良いところインタビュー」「ひそかな特技紹介」「係のがんばりにスポットライト 〇〇編」
- ランキング企画:「クラスで人気の遊びランキング」「読書量ランキング」「みんなの好きな給食ランキング」
- クイズ、なぞなぞ:「この人はだれでしょう?クイズ」「〇年〇組あるあるクイズ」「〇〇先生に聞いた秘密クイズ」
- 4コマ漫画、イラストコーナー:「日常の面白い瞬間」「行事の裏側を漫画化」
行事を伝える企画
- 行事レポート:「運動会の名場面」「社会科見学のまとめ」「学習発表会の裏側」
- インタビュー企画:「実行委員に聞いてみた」「先生に聞く『ここだけの話』」「行事の裏方さん(用務員さん、司書さん)特集」
- 写真特集:「ベストショット集」「名場面10選」「みんなの笑顔ギャラリー」
学習を深める企画
- 国語:「おすすめの本紹介」「説明文のまとめを新聞化」「みんなの作った作文紹介」
- 社会:「見学レポート」「調べ学習の成果発表」「地域のおすすめスポット紹介」
- 理科:「実験レポート」「観察日記まとめ」「理科クイズ」
- 総合:「調べたことの新聞化」「インタビューまとめ」「問題解決の提案記事」
クラスの課題を改善する企画
- 生活改善コーナー:「忘れ物を減らすアイデア」「朝の準備を早くする方法」
- みんなの声アンケート:「今のクラスのよいところ」「もっとよくしたいところ」「休み時間の過ごし方アンケート」
- 提案記事:「『こんなクラスにしたい』特集」「係活動の改善案」「学級会の議題を分かりやすく解説」
楽しい読み物やゲーム性のある企画
- コラム、エッセイ:「わたしの最近の発見」「ちょっといい話」「先生の子ども時代の話」
- ゲーム、パズル:「クロスワード」「間違い探し」「迷路」
- おすすめ紹介:「お気に入りの本・映画の紹介」「アプリ・ゲーム紹介」「最近のイチオシおやつ」
連載企画
- 「今週の一言ニュース」:クラスの小さな出来事を短く紹介
- 「係活動レポート」:各係の今月の成果
- 「先生のひとことコーナー」:先生の視点から見たクラスの良さ
- 「今月の目標 振り返り」:クラス目標の達成度を可視化
オリジナルキャラクターを学級新聞に取り入れたり、読者参加型の「アンケート企画」や「投稿企画」などのコーナーを作ったりするのもおすすめ。学級新聞を通じた子ども同士のコミュニケーションの活性化につながります。
工夫を凝らした学級新聞を作ろう
学級新聞作りは、子どもたちの主体的な活動として位置づけられることの多い取り組みです。学級新聞の制作を通して、子どもたちは国語力だけでなく、協働性や企画力・表現力、コミュニケーション力や自治的能力など、さまざまな力を育むことができるでしょう。
多様な場面で子どもたちそれぞれが工夫を凝らし、協力し合って新聞を作ることで、学級新聞は学級の文化として育ち、団結するツールにもなりうるでしょう。
学級新聞制作においては、子どもが目的をはっきりと持ち、読者を意識して制作することが大切です。そのために、先生は子どもたちの主体的な取り組みに必要なサポートをしていく役割が求められます。子ども同士、企画アイデアをたくさん出し合いながら、制作する側も読者も楽しめる学級新聞作りをめざしていきましょう。
これからの教育を担う若い先生たちに向けた、
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