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「生徒が苦手教科を克服するためには、どのような指導が効果的なんだろう…」
このように悩む先生も多いのではないでしょうか。
苦手教科を克服できれば、生徒の学力の向上や、学習へのモチベーションの高まりが期待できます。先生としては、しっかりサポートしてあげたいところですね。
そこで、この記事では、
- 苦手教科ができてしまう原因
- 克服までのステップ
- 教科別の具体的な指導方法
を整理しながら、先生ができるサポートのポイントを紹介します。一人ひとりに合った支援で、生徒の「できた!」を増やしていきましょう。
なぜ、生徒に「苦手教科」ができてしまうのか
苦手教科を克服するためには、まず、生徒にとってその教科が「なぜ苦手になってしまったのか」を明確にすることが大切です。原因が分からないまま学習量だけを増やしても、根本的な解決にはつながりません。
ここでは、代表的な3つの原因を整理してみましょう。
授業中に理解しきれなかったところを、そのままにしている
生徒が授業で理解しきれなかった内容をそのままにしていると、その後の学習に影響が出やすくなります。授業中に「わかった?」と聞いて、生徒が「はい」と答えたとしても、実際には「分かったつもり」であることも少なくありません。
たとえば、数学の計算問題を、授業で解説した手順に沿って解いてみただけでは、本当に理解できたかどうかは分かりません。同じような問題を少し変えて出題したときに、生徒が自力で最後まで解けるかどうかが理解度の目安になります。
よく理解できていない部分や「分かったつもり」をそのままにしておくと、その後の単元の理解も難しくなっていき、苦手意識が生まれるきっかけになりがちです。生徒のつまずきを見つけたときは、「どこから理解できていないのか」を一緒に確認しながら、丁寧にさかのぼって指導していくことが大切です。
勉強方法が合っていない
子どもには、それぞれ得意な学び方があると言われており、これを「認知特性」と呼びます。
「認知特性」は、大きく3つのタイプに分けられます。
- 視覚優位:目(視覚)で見た内容を理解・記憶するのが得意なタイプ
- 聴覚優位:耳(聴覚)で聞いた情報を理解・記憶するのが得意なタイプ
- 言語優位:文字情報(言語)を思考やイメージにより理解・記憶するのが得意なタイプ
認知特性に合っていない方法で学習していると、どんなに頑張ってもなかなか覚えられなかったり、理解するのに時間がかかったりしてしまうことがあります。そして、成果につながらない経験が続くと、生徒は「この教科が苦手」と感じやすくなってしまうのです。
先生が生徒一人ひとりの得意な勉強方法に気づき、説明の仕方や課題の出し方を少し変えるだけでも、「分かった」「覚えられた」という感覚を引き出すことができるでしょう。
できなかった経験が苦手意識につながっている
何度も間違えてしまう、テストで思うように点が取れない、といった「できなかった経験」が続くと、生徒は次第にその教科に苦手意識を持つようになります。
はじめは「少し難しい」と感じる程度でも、間違いや失敗が度重なるうちに、「どうせ自分には無理」「この教科は嫌い」と、心の中で線を引いてしまうことがあるのです。
苦手意識が強くなると、最初から挑戦を避けてしまい、結果的に勉強する機会そのものが減ってしまいます。
勉強しているのに成果が出にくい原因は、生徒によって異なります。何がその子の「苦手」につながったのかを見極め、一人ひとりに合ったサポートをすることが、成績アップへの第一歩です。
効果的なサポートの仕方については、以下の記事も参考にしてください。
▶【中学生】勉強しても成績が上がらないのはなぜ?塾ができるサポート法
生徒の苦手教科克服をサポートする3つのステップ
では、生徒の苦手教科克服をサポートする具体的な方法を見ていきましょう。
生徒の苦手教科を得意教科へと近づけるためには、
- 原因を見極める
- 学習方法を調整する
- 成功体験を積ませる
という3段階の流れを意識してサポートすることが大切です。それぞれのステップを丁寧に積み上げることで、生徒の理解と自信は少しずつ育っていきます。
それぞれのステップを、ひとつずつ詳しく見ていきましょう。
①生徒が「苦手」と感じる原因を見極める
苦手克服への第一歩は、「どこで」「なぜ」つまずいているのかを明らかにすることです。
注意して見ていると、生徒たちの苦手の表れ方はさまざまです。たとえば同じ問題でも、解く前に手が止まってしまう生徒もいれば、途中までは解き進められるのに、急に悩み始める生徒もいます。
まずは、個々の生徒が「どの単元・どの段階でつまずいているか」を丁寧に観察しましょう。
【つまずきの例】
- 英単語や基本構文の問題はすらすら解けるが、長文読解になると混乱する
- そもそも基本的な英単語・構文の定着が不十分で、設問を見てすぐに「分からない」とあきらめてしまう
つまずいているポイントが明らかになったら、次に「なぜ、そこでつまずいたのか」を考えます。
【つまずきの原因の例】
- 授業中に理解しきれていない(知識・基本的な考え方が十分に定着していない)
- 学習方法のミスマッチ(その生徒の認知特性に合っていない)
- 失敗体験の蓄積(心理的な抵抗感・回避が強い)
「どこで」と「なぜ」をセットで捉えることで、生徒のつまずきの原因に合わせた具体的なサポート法が見えてきます。
②生徒に合った学習方法を提案する
つまずいた箇所と原因が分かったら、次は勉強のやり方そのものを見直す段階です。
苦手克服で大切なのは、やみくもに学習量を増やすことではなく、生徒に合った学習方法を工夫し、「分かった」「できた」という体験を積み重ねることです。先生の適切なサポートが、生徒の「苦手だからやりたくない」を「これならできるかも」に変えていくきっかけになるのです。
【指導の工夫例】
- 習った内容を理解しきれていない場合:つまずいた単元に戻ってもう一度例題を解き、理解できている部分とできていない部分を一緒に確認する。
- 学習の方法が生徒に合っていない場合:別の角度からのアプローチを試す。
→図や表を使って内容を整理する、見る・読むだけでなくリスニングで覚えるなど、生徒が得意とする方法を取り入れる。 - 失敗経験が多い場合:抵抗感をなくすための取り組みや環境を工夫する。
→ 易しい基本問題から段階的に難易度を上げていく取り組みで、自信を取り戻させる。
このように、生徒の勉強への取り組み方を少し変えるだけでも、「分かった!」「自分にもできた」と感じる瞬間が生まれやすくなります。
③小さな成功体験を積ませる
学習方法や取り組み方を工夫したあとは、生徒が「できるようになった」と実感できる場面を、先生が意図的につくりましょう。苦手克服は、学習後に成果を感じられるかどうかで、取り組みの効果が大きく変わります。
内容やレベルを生徒に合わせて設定した小テストや確認問題を解かせて、「前よりできた」「この単元は分かるようになった」という実感を持たせると効果的です。
【成功体験をつくる工夫例】
- つまずいた単元だけをピックアップした小テストを作る
- 前回と同じ問題を解いて「正答率が上がった」ことを確認させる
- 自分で解けるようになった問題にチェックマークを付けていく
このような方法で取り組みの成果を見える化すると、生徒自身が「努力すれば変わる」「苦手を克服できた」と実感できるようになります。
また、確認テストを行う場合は、点数という結果だけでなく、取り組みにより「できるようになった部分」に焦点を当てて、声をかけることも大切です。「前は、このパターンの問題でつまずいていたけれど、今回は完璧に解けたね!」といった具体的なフィードバックが、生徒の自信とやる気を育て、苦手意識の克服へとつながっていきます。
フキダシ
ひとつでも苦手教科があることで、「勉強が好きになれない」「学習意欲そのものが低い」という生徒もいます。そのようなケースでは、「勉強の楽しさ」を感じられる工夫も効果的です。
具体的な工夫については、以下の記事も参考にしてください。
▶ 勉強が楽しくなる方法
教科別・苦手克服のための実践的指導アイデア(国語・数学・英語)
小さな成功体験を生徒に積ませるには、教科ごとの「生徒がつまずきやすいポイント」を意識しておくことも大切です。
ここでは、国語・数学・英語の3教科を例に、よくあるつまずきの例と、生徒の「できた!」を引き出すための指導方法の例を紹介します。
国語|文章の構造をつかむ力を育てる
【よくあるつまずき】
- 「何を伝えたいのか」という、文章の主旨が分からないまま読んでしまう
- 選択肢問題で、解答のための正しい根拠を見つけられず迷ってしまう
- 記述問題になると、何を書けばよいか分からず手が止まる
【指導のポイント】
国語が苦手な生徒は、文章の流れやつながりを意識して読むことができていないケースが多く見られます。先生は、文章の構造を把握できる力を育てることを意識して、指導しましょう。
- 文章を段落ごとに区切り、「この段落では何を言いたいのか」を生徒と一緒に整理する
- 接続詞や指示語をヒントに、文と文の関係を読み取らせる
- 文章の要点を短くまとめる「一文要約」の練習を取り入れる
- 選択肢問題では「根拠に線を引き、理由を言葉で説明」させる
語彙や文法の理解不足が原因の場合は、新しい言葉が出てきたときに「自分の言葉で言い換える」練習を取り入れるのも効果的です。各段落の要旨の整理や、根拠を見つける練習を積み重ねることで、生徒の読解力が育ち、「ちゃんと読めた」「分かった」という実感を得やすくなります。
数学|考え方の筋道を一緒にたどる
【よくあるつまずき】
- 解答までの手順は覚えているのに、問題の出し方が変わると解けなくなる
- 「なぜそうなるのか」が説明できない
【指導のポイント】
数学では、解き方の意味を理解しないまま、手順を暗記してしまうケースが多く見られます。「どうして、この問題にはこの式を使うのか」を生徒と一緒に考える時間を意識的に取りましょう。
- 解き方を説明させ、思考の過程を言語化させる(例:「どうして、この公式を使ったの?」)
- つまずいた単元に戻り、関連する基礎内容を確認する
- 同じ型の問題を反復して、考え方の流れを定着させる
間違えた問題については、「どこでつまずいたのか」「なぜそう考えたのか」を一緒に振り返ることが大切です。「考える過程」を共有する指導が、生徒の理解を深め、再びつまずかないための力を育てていきます。
英語|学んだ知識を使うことで「できた!」を実感させる
【よくあるつまずき】
- 単語は覚えているのに、長文になると読めなくなる
- 文法問題では、覚えた構文のパターンに頼りすぎて応用がきかない
【指導のポイント】
英語は、知識を覚えるだけでなく、実際に活用してみることで定着しやすい教科です。覚えた知識を「使う場面」を授業に取り入れ、生徒が「できた」という実感を持てる活動を工夫しましょう。
- 新たな単語や文法は「見る(読む)・聞く・書く・話す」のサイクルを繰り返して定着させる
- 教科書の構文を使って、自分自身のことを表現してみる
- 短いフレーズを使ってペアで会話をしたり、英語で質問し合ったりする時間を設け、「伝わった!」という体験を増やす
このように、知識を活用することで、生徒は「自分も英語が使える!」「自分の英語が通じた」という成功体験を積み重ね、自信をもって学習に取り組めるようになります。
苦手意識が強い教科ほど、理解と成功体験を結びつける工夫が大切です。「分かるようになった」「できるようになった」という実感の積み重ねは、生徒の自信につながり、学習意欲が高まっていきます。
生徒の苦手克服を後押しする教材活用アイデア
生徒の苦手克服をサポートしていると、「本当は、一人ひとりに合わせた指導をしてあげたいけれど、時間が足りない」「その都度、理解度を見ながら課題を出すのが難しい」といった課題を感じる先生も多いのではないでしょうか。
そのようなときに頼りになるのが、生徒の苦手や特性に合わせて学習できる教材です。
ここでは、塾で活用しやすい2つの教材、「Myeトレ」と「ラナペ!」を紹介します。
Myeトレ|一人ひとりに合わせた課題設定で「できた」を積み重ねる
『Myeトレ』は、1回分の学習内容を短く区切り、小さな達成感を積み重ねていくスモールステップ設計が特徴の教材です。学習内容を一つひとつ確実に定着させることで、生徒が「できた!」と実感しながら学習意欲を保てるよう工夫されています。
先生は、単元ごとに学習履歴を確認しながら、生徒の得意・不得意を把握し、課題を柔軟に調整できます。豊富な問題データをもとに、一人ひとりの理解度に合わせた指導サイクルをつくることができるのも大きな魅力です。

ラナペ!|認知特性に合わせて楽しく学べる
『ラナペ!』は、生徒一人ひとりの認知特性(視覚・聴覚・言語)に合わせた効果的な学習をサポートするデジタル教材です。苦手教科を「難しいもの」ではなく、「自分にもできるかもしれない」と感じさせるきっかけづくりに活かせます。
ゲーム感覚で取り組める要素が多く、「勉強=つらい」と感じがちな生徒でも前向きに取り組みやすいのが特徴です。また、勉強を進めるほどポイントを獲得でき、キャラクターと仲良くなれる仕組みもあります。こうした楽しさの要素が、継続へのハードルを下げ、苦手克服への意欲を引き出す助けになります。
見て、聞いて、書いて。各生徒の認知特性に合わせた「得意な覚え方」で、楽しみながら身につきます!
教材を活用することで、授業設計・課題の出し分け・家庭との情報共有といった、先生の日常業務の効率化も期待できます。限られた時間の中でも、各生徒の理解度を深めるための個別支援を行うサイクルを整えやすくなるでしょう。
生徒の「できた!」を増やして、苦手克服をサポートしよう
苦手教科を克服するために大切なのは、
- 苦手の原因を見極める
- 生徒に合った学習方法を取り入れる
- 小さな成功体験を積み重ねる
という3つのステップを意識することです。
どの生徒も、「分からない」「苦手」と感じている裏側には、「できるようになりたい!」という気持ちが隠れているもの。その思いに寄り添いながら、少しずつ成功体験を積ませていくことで、生徒の勉強への向き合い方は確実に変わっていくでしょう。
そして、先生の声かけやサポートの工夫が、生徒にとって「もう一度、がんばってみよう」と思えるきっかけになります。一人ひとりが「できた!」を積み重ねながら、苦手を自信へと変えていけるよう、これからもサポートしていきましょう。
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