
「英語の音読はどのように取り入れたらいいのだろう」
「音読は本当に効果があるのだろうか?」
英語を担当する先生の中には、このような悩みをもつ方も多いのではないでしょうか。
この記事では、
- 英語の音読の効果
- 効果的な音読のやり方とポイント
- 音読が苦手な子どもへの指導のポイント
をまとめました。
国際化が進む現代、小中学生に英語の力を身につけさせるために、英語学習に音読を取り入れてみたいと考えている先生は、ぜひ参考にしてみてください。
英語の音読で期待できる効果とは?
英語の音読は「読む・聞く・話す」の土台を底上げする効果が期待できます。ここでは、英語の音読によって期待できる効果を3つ紹介します。
英語の理解が速くなる
音読は「読む→音声化→意味理解」を同時に行う活動です。この流れを繰り返すことで、文字・音・意味が結びつきやすくなり、英語を理解するスピードが速くなります。それによって、リスニングの理解が速くなる効果も表れます。
また、音読では前に戻って読むことができないため、英語を前から順に処理する力が身につき、英文の読解スピードも上がって長文にも対応できるようになります。
発音が整う
正しい発音での英語の音読を続けると、英語の音のつながりや強弱、イントネーションなどが身につきやすくなります。
英語には、「音のつながり」や「弱くなる音(弱形)」など、特有の音の決まりがあり、正しい発音を聞きながら音読を繰り返すことで、英語の音の感覚が体に染み込みます。そのため、英語の発音が整うのと同時に、リスニング力の向上も期待できます。
語彙や文法が身につく
英語の音読を繰り返すことによって、英語の文の型が自然に身につくという良さがあります。例えば、「主語の後には動詞がくる」「前置詞の後には名詞がくる」といった英語の語順が、音読を繰り返すことで体に染みつき、次に来る語や文の形を予測しながら理解できるようになります。
また、「in front of」「I’d like to」のような英語表現の音読を繰り返すことで、一つひとつの単語ではなく、意味のまとまりで理解できるようになります。この処理が早くなると、表現がそのまま音として記憶され、文の意味をつかむスピードが速くなります。
英語の音読は、英語基礎力向上に役立つ効果的な勉強法です。授業の中でも、子どもが先生の英語を聞くだけになってしまわないよう、発音・音読する機会を多くつくっていきましょう。
授業での効果的な音読のやり方
音読の効果を高めるためには、正しいステップで継続的に音読を行うことが重要です。ここでは、授業での効果的な音読のやり方について解説します。
ここでの解説を踏まえて、ぜひ子どもの日々の英語学習に取り入れてみてください。
①英文の意味を理解する
英語の音読を行う前には、まず英文の意味をしっかり理解してから行うことが大切です。音読は、英語の音と意味とを結び付けた状態で行うことで、大きな効果を発揮します。分からない単語や表現は意味を確認し、ぱっと見ただけで意味が分かるようにしておきましょう。
また、英文全体の意味を理解しておくと、文の流れのイメージがしやすくなります。
②リピーティング
英文の意味を理解したところで、意味のまとまり(チャンク)ごとにモデル音声の後に音読していきます。文や意味のまとまり(チャンク)ごとにモデル音声を聞き、英語の正しい音・リズム・強弱をインプットした後、同じところを音読します。
「聞く→音読する」を繰り返すことで、正しい発音が身につきやすくなります。また、チャンクごとに読んでいくことで、テンポ感や区切りなどの感覚を掴みやすくなります。
チャンクごとの発音の仕方やリズム感が掴めたら、音声にかぶせるように読んでいくオーバーラッピングを行うのも効果的です。
③バズリーディング
次に、モデル音声なしで各自音読を行います。モデル音声がないと発音しにくい箇所や読み方が曖昧な部分が明確になるため、重点的に対策すべき箇所がわかります。弱点が分かったら、その部分を個人で繰り返し練習しましょう。
④ペアリーディング
バズリーディングを行ったら、ペアでの音読を取り入れます。子ども同士がペアになり、一人が音読をする話し手、もう一人が聞き手になって順番に読んでいきます。
話し手は、聞き手が聞き取りやすいように読むことを意識し、聞き手は英文の内容を掴みながら話し手の音読を聞きます。聞き手がうなずきながら聞くようにすると、話し手も相手意識をもちやすくなり効果的なペアリーディングになります。
家庭学習では、授業中に確認したポイントを確認しながら、同じ文章の音読に取り組ませるとよいでしょう。時間を計りながら音読練習をすると、読解速度の向上が数字となって表れるため、モチベーションにもつながるでしょう。
音読の効果を伸ばすポイント4つ
ここでは効果的な音読のやり方に加えて、さらに効果を伸ばすためのポイントを4つ紹介します。英子どもの英語力を効果的に伸ばしたいという先生は参考にしてみてください。
短い文を繰り返す
英語の音読を行う場合は、長い文を1回音読するよりも、短い文を繰り返した方が効果が期待できます。同じ文を繰り返すことで、語順が体に染み込むと同時に発音やリズムが安定し、さらに音と意味の結びつきも強くなることが期待できます。
授業で扱う際には、文章の中でも特に大切なセンテンスに絞って音読を繰り返し、暗唱までできるようになることを目指すという方法もあります。ポイントとなる文法もそのまま覚えられるため効果的です。
1回5〜10分を継続する
音読は短時間の練習を毎日続けることで、効果が表れやすくなります。家庭では今日の授業の復習をしながら、大切なフレーズを10回音読する習慣をつけさせたり、授業では最初に音読タイムをつくって、モデル音声を聞きながら個人音読、ペア音読を行う時間をつくったりするなどの工夫ができるでしょう。
スラッシュを入れながら読む
長いセンテンスを音読する場合は、スラッシュを入れながら読むとスムーズに読めます。「主語+動詞のあと」「前置詞句の前」「接続詞の前」「不定詞・動名詞のまとまりの前」など英語の意味のまとまり(チャンク)ごとにスラッシュを入れながら読むことで、まとまりごとに意味を理解できるようになります。
さらに、スラッシュを入れることで文の構造も理解しやすくなるので、日本語の語順に組み替えて読んでしまう返り読みも防げます。これにより、音読のリズムが整い、スムーズに読めるようになります。
弱点を重点的に練習する
音読を繰り返すと、自分の弱点が明確になってくるため、その弱点を重点的に練習することで効果が高まります。普段の音読練習でよくつっかえるところ、意味がぱっと出てこないところなどが自分の弱点となります。
弱点は発音が曖昧だったり、文構造の理解が不十分だったりすることが多いです。そのため、その弱点が克服できるよう「モデル音声を聞く→音声に合わせて読む→音声なしで読む」の手順を繰り返していくことが大切になります。
音読は継続することが大切ですが、同じことをずっと続けていると飽きてしまうこともあるでしょう。そんな時は、「時間制限を設けて音読」「暗唱」「オーバーラッピング」「シャドーイング」など工夫を入れながら取り組むと、継続しやすくなって英語力アップにも役立ちますよ。
英語の音読のNG
ここでは、英語の音読を行うにあたって、効果が半減してしまう間違ったやり方について解説します。短い時間で効果的に英語力をつけられるよう、正しいやり方で行えるようにしましょう。
意味が分からないまま読む
英文の意味が分からないまま音読を続けると、音と意味が結びつかず、リスニング力や読解力につながりにくくなります。
意味が分からないままの音読は、脳がただの音として処理している状態なので、語順や文構造も身につかず、効果のない音読となってしまう可能性があります。必ず、英文の意味や文法を理解したうえで音読を行うようにしましょう。
モデル音声を聞かずに読む
モデル音声を聞かずに読むと、日本語のカタカナ英語として読んでしまう可能性があり、英語ならではの強弱やイントネーションが身につきにくくなります。
そのため、リスニングでも正しい発音が認識できず、音読の効果が発揮できなくなってしまう可能性があります。一人で音読する前に、モデル音声を聞いて、正しい発音の仕方を身につけてから真似するようにしましょう。
速さだけを追いかける
速すぎる音読は、正しい発音が身につかないうえ、意味を理解するのも難しくなってしまいます。
一つひとつの単語の発音の仕方や、口の動きを確認しながら音読を行うことが、音読効果を上げるためには重要です。モデル音声と同じ速さで発音することは目標の一つではありますが、まずは自分のペースで一つひとつの発音を意識しながら読むようにしましょう。
1回だけ読んで終わりにする
音読を1回行っただけでは音読効果は発揮されにくいため、同じ文の音読を繰り返すことが重要です。
音読を繰り返すことで、音と意味との結びつきや語順感覚、発音が体に染みついていきます。音読する英文は短くて良いので、「聞く→音読する」の反復を大切にしましょう。
声が小さすぎる
声が小さすぎたり、口をはっきりと動かさなかったりする音読では、その効果が小さくなってしまうことがあります。
音読では、読んで発音する自分の声と、その文字の意味を同時に処理することで音と意味が結びつきやすくなり、英語の処理能力が上がります。しかし、声が小さいと読み上げた自分の声が聞こえず、文字との結びつきが弱くなってしまいます。また、口をはっきり動かさないと、発音やリズムが身体化しにくくなります。音読する際には、しっかりと口を動かし、声に出して行うようにしましょう。
音読を指導する際は、子どもに音読の効果をしっかり伝えることが重要です。そうすることで、子どもは音読に取り組む際に、英語の意味や発音、声の大きさなどを自発的に意識するようになるでしょう。
英語の音読が苦手な子どもへの指導のポイント3つ
ここでは、英語の音読に苦手意識をもつ子どもへの指導のポイントを3つまとめていきます。音読習慣をつけさせたいけど、なかなか取り組めない子どもには、以下のポイントを参考にして、音読へのハードルを下げて取り組ませてみましょう。
簡単な文から始める
音読が苦手な子どもは、自分の発音に自信がなく、他の人に聞かれることが怖いという思いをもっていることが多いです。そのため、自信をもって読めそうな簡単な文章から音読に慣れていきましょう。
口の動きや発音が難しい部分に対しては、先生が口の動きの手本を見せ、子どもがまねできるようにしましょう。スモールステップを意識して子どものハードルを取り除いていくことが、苦手意識の克服につながります。
「聞く→音読する」を繰り返し、少しずつレベルを上げていく
音読が苦手な子どもは、自分の力で読むことに不安をもつことが多いです。そのため、音声を聞く時間を多めにとることが大切になります。モデル音声もゆっくりめなスピードから始め、子どもが発音の仕方をしっかりと理解して、「できそう」と思ったタイミングで声に出せるようにします。
子どもに合った文章量で「聞く→音読する」をテンポよく繰り返し、自信がもてたところで、「一文を音声に合わせて読む→音声に続けて読む→自分だけで読む」とレベルを上げていきます。このように始めは音声を真似する段階を多くとり、少しずつ自分で読める段階に引き上げていきましょう。
「できた!」を実感させる
音読が苦手な子どもの不安を取り除くためには、「できた!」と感じられる成功体験を積み重ねていくことが大切です。先生が子どもの発音を聞き、「とても上手に読めているよ」「ここの発音が素敵だね」と褒めていくと、子どもの自信になります。
また、子どもが自分だけで読めるようになった文章に線を引かせると、達成状況が可視化されるのでやる気につながります。このように成功体験を積み重ねていくことで、音読への苦手意識を小さくすることができます。
授業中の個人音読やペア音読の際には、先生は教室内を巡回し、一人ひとりの取り組みの様子を褒めたり、発音のアドバイスをしたりすると良いでしょう。音読が苦手な子どもには無理に声は出させず、できる範囲で取り組めるようにしましょう。
英語の音読Q&A
ここでは、英語学習に関するよくある疑問をQ&A形式でまとめていきます。
Q:英語の音読はなぜ効果があるのですか
英語の音読が効果的なのは、英語の「音・意味・語順」を同時に処理する練習になるからです。この練習を繰り返すことで、発音・リスニング・文の理解が一気に伸びます。
Q:シャドーイングと音読はどちらが効果的ですか?
英語を声に出すという点では似ている音読とシャドーイングですが、その効果や求められる力には違いがあります。
音読は書かれている英文を声に出して読むため、文字情報を処理しながら発音する力が身につきます。一方のシャドーイングは、聞こえてくる英文をそのままのスピードで真似して読む活動であるため、聞こえてきた音を素早く処理する力が求められます。音読と比べると、聞こえてくる音を処理しながら同時に発音しなければならないシャドーイングは負担がかかりやすい傾向があります。
音読は読解力と、文字と音を結び付ける力、シャドーイングは英語のスピード感や、英語を音で処理する力を育てるのに役立ちます。音読がすらすらできるようになったら、シャドーイングに挑戦してみても良いでしょう。
Q:英語の音読はいつから効果が出ますか?
毎日5分の音読を繰り返した場合、3週間ほどで効果が出ると期待できます。なかには1週間で効果を感じ始める人もいます。
Q:英語学習に使える教材はありますか?
音読に使う教材は、スクリプト(英文)とモデル音声がそろっている、自分のレベルに合った教材を選ぶようにしましょう。
また、英語力向上のため英会話を取り入れてみるのもおすすめです。
「KYO-KAI OnE」はオンラインで英会話に取り組める教材です。生きた英語を身につけるのにおすすめです。
生きた英語を身につけ、積極性を育む オンライン英会話の可能性
音読学習を取り入れて、英語力をアップしよう
英語の音読学習は、英語力の向上に大きな効果が期待できます。英文を目で追いながら、声に出して発音するので、「音・文字・意味」の結びつきが強くなり、また英語の語順や文の型も英文を音読することで体に染みつき、読解力が向上します。
さらに、モデル音声を聞きながら真似して発音をすることで、英語のもつ強弱やイントネーションも身につき、リスニング力や話す力の向上も期待できます。
英語の音読学習は、短い文を短時間で毎日継続して取り組むことで、効果が表れやすくなります。音読学習の際には、「英文の意味理解→聞く→真似する→自分で読む」のステップが大切です。
この記事を参考にして日々の授業に音読学習を取り入れ、子どもの英語力をアップさせていきましょう。
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