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「勉強しないといけないのに、すぐに集中力が途切れてしまう」
中学生や保護者から、このように相談された経験のある先生も多いのではないでしょうか。
家庭学習の時間を確保しても、スマホやゲームに気を取られたり、机に向かってもすぐ気が散ってしまったりするという悩みは、よく耳にします。
集中力は、ちょっとした工夫で高めることができます。環境の整え方や時間の使い方、生活習慣を工夫することで、誰でも勉強に集中しやすい状態を作ることが可能です。
そこで、この記事では、中学生が家庭学習で集中力を高めるための方法を整理しました。授業や面談で生徒や保護者に伝えられる、実践的なアイデアを紹介していきます。
中学生の集中力はどのくらい続く?
中学生が継続的に集中できる時間は、個人差はありますが、40〜90分程度といわれています。授業時間が45分や50分に設定されているのも、この集中力の目安に合わせているためともいわれています。
また、時間の区切り方の目安としてよく知られているのが「15・45・90の法則」です。
- 集中力のピークが訪れるのは15分前後
- 集中力が持続しやすいのは45分程度
- 集中力は、最大でも90分ほどで途切れる
この法則は、人間が集中力を維持できる時間を表しており、これに基づいて、勉強時間は15分単位で区切ると調整しやすいとされています。
つまり、集中力を維持しにくい場合は15分や30分で一旦区切って取り組んだりすると、集中しやすくなるということです。テスト勉強のように長く取り組みたい場合も、90分勉強したら一度休憩を挟むなどの工夫をすると効果的です。
生徒によって集中力を維持できる時間は異なるため、家庭で勉強する場合、休憩の取り方など、一人ひとりに合った区切り方を見つけられるようにサポートすることが大切です。
勉強で集中力が続かない原因とは?
家庭学習で集中力が続かない背景には、生徒によってさまざまな要因があります。まずは、中学生が勉強に集中できない主な原因を整理しましょう。
スマホやゲームなど、環境の誘惑
家庭学習で集中を妨げる要因の1つと考えられているのが、スマホやゲームです。
勉強中に、スマホの通知音が聞こえたり、通知が表示された画面が目に入ったりするだけで、ついそちらに注意が向いて、勉強から意識がそれてしまうことがあります。
また、ゲームができる機器が手に届く所にあれば、「遊びたい」という誘惑に負けて、勉強に集中できなくなることもあるでしょう。
睡眠不足や生活リズムの乱れ
夜更かしや不規則な生活は、集中力低下の原因になります。睡眠が足りないと脳が十分に働かず、学習中にぼんやりしたり、やる気が出にくくなったりしてしまうのです。
中学生は、部活動や塾で帰宅が遅くなりがちですが、できるだけ就寝・起床のリズムを整え、十分な睡眠を確保するよう努めることが大切です。
勉強に目的意識をもっていない場合や、理解度に合わない学習をしている場合も、集中力は持続しにくくなります。生徒にとって家庭学習が有意義な時間になるよう、先生が課題を工夫してあげるとよいでしょう。
家庭学習で集中力を高める方法
勉強への集中力は、学習環境や時間の使い方などの工夫次第で変わります。ここでは、家庭学習に取り入れやすい、集中力を高める方法を紹介します。
環境を整える
家庭学習への集中力を高めるには、まず、学習環境を整えることが重要です。
たとえば以下のように、勉強に集中できる学習環境づくりを指導すると良いでしょう。
- 机の上には、教科書やノート、ドリルや辞書など、勉強に必要なものだけを置いて、余計なものは視界に入らないようにする。
- 目の疲れや眠気が生じないよう、ちょうどよい明るさと室温を保つ。
- テレビや家族の会話などの生活音が気になりにくい、静かな場所を選ぶ。
さらに、前述のように、スマホやゲーム機は集中力を妨げる誘惑になりやすいものです。勉強中は、スマホの電源を切るか通知機能をオフにしておく、手の届かない場所にしまっておく、などの対策が効果的です。
なお、学習アプリなどでスマホを使うケースも増えています。その場合は、使う時だけ手に取るように習慣づけるとよいでしょう。
勉強を始める前のルーティンを作る
勉強を始める前の「決まった流れ」を作ることも、集中力を高めるために効果的です。自分だけのルーティン作りを、生徒に提案してみましょう。
たとえば、
- 学習机をきれいに拭く
- 座ったら、勉強を始める前に深呼吸を3回する
- 勉強用のシャーペンと消しゴムを用意する
このような決まった手順を、勉強前に毎回繰り返すことで、脳が「これから勉強するんだ」と認識し、自然と集中モードに切り替わります。
また、勉強が終わったら「今日は、ここまでできた」と振り返るルーティンを取り入れると、達成感が生まれ、次の意欲にもつながります。
勉強スイッチを入れるのが苦手な生徒には、勉強前に行うルーティンは、特に効果が期待できます。生徒自身が繰り返しやすい流れを決めておくことで、無理なく集中力を高める助けになるでしょう。
学習に「楽しさ」を取り入れる
勉強を「やらなければいけないこと」ではなく、「やりたいこと」とポジティブに感じられる工夫をすることも、生徒の集中力を自然に高めます。
たとえば、ゲーム感覚の学習を取り入れるのも、ひとつの方法です。先生が、以下のようなゲーム感覚で行える課題を出すのもよいでしょう。
- 「10分間に計算問題を何問解けるか」挑戦する
- 部首の学習後、「木へん」「さんずい」などお題の部首がつく漢字を10個探す
効果的にゲーム感覚の課題を出すなら、学習アプリなどの「楽しさ」を取り入れた教材を選ぶのもおすすめです。日々の勉強に楽しさが加わることで、生徒が「続けたい」という気持ちになり、集中力アップにつながるでしょう。
手軽に使えるゲーム感覚の教材として、「ラナペ!」がおすすめです。「ラナペ!」は、クラス内で競えるクラス内ランキングや、ログインが楽しみになるように工夫された定期的なコンテンツの配信などで、勉強への抵抗感が強い子でも遊びの延長のように取り組める仕組みになっています。
見て、聞いて、書いて。生徒一人ひとりの認知特性に合わせた「得意な覚え方」で、楽しみながら身につきます!
適度なリフレッシュをはかる
長時間ひたすら勉強を続ければ効果が上がる、というものではありません。あらかじめ勉強時間を適度に区切り、合間にリフレッシュ休憩を入れる方法も効果的です。
たとえば「ポモドーロ法」は、中学生でも取り入れやすい方法でしょう。これは、「25分集中+5分休憩」を1セットにして勉強する方法です。
集中力が切れる前に休憩を挟むことで、脳や心身がリフレッシュでき、結果的に勉強をより長く続けやすくなる効果が期待できます。休憩中は、ストレッチ、好きな飲み物やおやつを摂る、好きな音楽を聴くなどの方法で思い思いにリフレッシュすると、切り替えがうまくでき、次の勉強に集中しやすくなるのでおすすめです。
こうした勉強時間の区切り方やリフレッシュ方法を、普段の会話の中や面談などで生徒に伝えていきましょう。
家庭学習での集中力を高めるためには、短時間で取り組める教材を課題として活用するのも有効です。Myeトレは1回10分で完結するため、集中力が持続しやすく達成感も得られる教材です。

集中力を高める生活習慣
勉強中の工夫に加えて、日々の生活習慣を整えることも、集中力を高めるうえで欠かせません。アドバイスする際には、勉強方法の工夫だけでなく、生活面もあわせて指導できると効果的です。
生活のリズムを整える
前述のように、睡眠不足や生活リズムの乱れは、集中力を低下させる原因になります。
特に中学生は、部活動や塾で帰宅が遅くなりがちですが、できるだけ毎日同じ時間に就寝・起床することが大切です。7〜8時間程度の睡眠を確保するだけでも、学習効率は大きく変わるといわれています。
また、平日と休日の睡眠リズムに差が大きいと、生活のリズムが乱れて月曜日にだるさを感じやすくなります。休日も、平日と極端にずれない生活リズムで過ごせるようにするとよいでしょう。
寝る直前にスマホを使うと、眠りが浅くなる要因になります。そのため、就寝前はスマホなどの画面を見ないようにすることも、睡眠の質を高めるためには大切です。
睡眠の質とリズムを意識することで、勉強に集中できる基盤を作れるよう、サポートしていきましょう。
バランスの良い食事でコンディションを整える
食事は集中力を支える大切な要素です。脳のエネルギー源はブドウ糖であり、朝食を抜いたり糖質が不足したりすると、集中力を維持しにくくなります。
- 1日3食、ごはんやパン、果物などをバランスよく取り入れること
- 脳の働きを助けるタンパク質やビタミン類、肉や魚、卵、野菜などを組み合わせること
このような毎日の食習慣の心がけは、中学生の健康維持のためにも大切です。生徒の食生活は、どうしても家庭の協力が必要になりますので、お知らせや面談を通じて、定期的に家庭に伝えていくとよいでしょう。
さらに、水分不足も集中力の低下につながります。生徒には、勉強前や休憩中の水分補給を心がけるよう、アドバイスしてください。コップ一杯の水を飲む習慣づけもおすすめです。エナジードリンクやコーヒーなどのカフェイン含有量の多い飲み物は、とりすぎると落ち着かなくなり逆効果になるので、注意が必要です。
食生活を整えることは、勉強に集中できる心身のコンディションを保つための基本です。塾と家庭が連携し合って、子どもたちを支えていきましょう。
適度な運動を習慣づける
体を動かすことは脳の活性化につながり、集中力を高める効果があります。運動によって血流が良くなると、酸素や栄養が脳に届きやすくなり、学習の質を支える基盤になるのです。家庭での日課の中に、ストレッチや軽い運動を取り入れるのはおすすめです。
中学生は部活動で十分に運動量を確保できることも多いですが、激しい運動ばかりで疲れがたまると、かえって集中力が低下してしまうおそれもあります。その場合は、生徒の運動量と疲労度に合わせ、しっかりと休養をとることが重要です。
運動部の生徒の場合は、休日に軽いジョギングやストレッチを取り入れるといった「プラスの運動」を増やす必要はなく、むしろ、睡眠や栄養で体を回復させることを優先するとよいでしょう。
一方で、運動量が少ない生徒は、通学で歩く距離を増やす、寝る前に軽く体を動かすなど、日常生活に無理のない運動習慣を取り入れることが、集中しやすい体づくりにつながります。
疲れている様子や、授業中に集中していない様子が見られる場合は、家庭学習でも集中できていないことが多いものです。面談などで、生徒の様子を保護者と共有し、適切なサポートをしていきましょう。
学習環境や生活習慣に目を向けて、生徒の集中力をサポートしよう
勉強への集中力は、学習環境や生活習慣の工夫によって高められます。中学生が集中できる時間は「40〜90分」が目安といわれていますが、個人差があり、もっと短い時間しか集中力がもたないこともあります。
集中力を高め、維持するには、「勉強時間を短く区切る」「学習環境を整える」「健康的な生活リズムを意識する」といった工夫が効果的です。
家庭学習の集中力を高める工夫は、生徒の「勉強しても身につかない」という悩みを解消し、成績アップにもつながります。今日から取り入れられる方法を少しずつ伝え、勉強に前向きに取り組めるよう、生徒をサポートしていきましょう。
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