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公開日:2025年12月19日  
更新日:2025年12月02日

「着任式の挨拶」完全ガイド ~例文&成功のコツを徹底解説!~

「着任式での挨拶は、どんなことを話したらいいんだろう?」
「最初の挨拶で、児童・生徒たちの心をつかみたい」

こんなふうにお思いの先生も、多いのではないでしょうか?

着任式での挨拶は、新たな学校での教員としての第一印象を決める大切な場面です。ここで話す内容や話し方で、児童・生徒や教職員からの印象が大きく変わります。

そこで、この記事では着任式での挨拶のポイントや例文、よくある質問と対策について解説していきます。心を込めた挨拶を、生徒・保護者・教職員との信頼関係を築く第一歩にしていきましょう。

着任式の挨拶を成功させるための3つの構成ポイント

着任式の挨拶は、以下の3つの内容を入れて構成するのがポイントです。

  • 自己紹介
  • 教育への思い
  • 協力のお願い

それぞれのポイントについて解説していきます。

自己紹介

自己紹介では、聞き手に親しみを持ってもらうことが大切です。例えば、自分の名前を使ったあいうえお作文で趣味や出身地を紹介したり、クイズ形式で問いかけたりすると、児童・生徒の印象に残りやすく、すぐに名前を覚えてもらえるでしょう。

また、名前以外に担当教科と簡単な経歴を、簡潔にわかりやすく伝えましょう。まず、あなたがどんな人かがわかると、聞き手にとって親近感への一歩になります。

教育への思い

挨拶の中で、自分の教育方針や、教育に対する姿勢を分かりやすく伝えましょう。どんな授業がしたいのか、どんなふうに児童・生徒に接していきたいのかを明確に話すと、「何を大切にしている先生なのか」「どんな授業や関わり方をしてくれるのか」という期待やイメージを持ってもらえます。

協力のお願い

児童・生徒・保護者・教職員に向けて、協力をお願いする姿勢を示します。他の先生方を含めた学校関係者や、保護者との協力は、よりよい学校教育を目指すうえで不可欠です。丁寧に協力をお願いする姿勢を見せることで、謙虚さや誠実さが伝わり、周囲と良好な関係を築けるでしょう。

着任式の挨拶は、自己紹介・教育への思い・協力のお願いの3つを入れて構成すると、良好なコミュニケーションのきっかけになります。

【学校種・教員歴別】着任式での挨拶例文

着任式での挨拶の例文を紹介します。学校種や教員としてのキャリア別に掲載していますので、以下の例文を参考に、自分や着任校に合った内容になるよう加筆・修正してご活用ください。

小学校教員向け

🟨「○○小学校に着任いたしました○○です。これから、皆さんと一緒にたくさんのことを学び、楽しい学校生活を送りたいと思います。私は、子どもたちに『学ぶことの楽しさ』を伝えたいと思っています。授業や学校行事など、さまざまな活動を通して、子どもたちが自ら考え、学び、成長できるよう、精一杯努めてまいります。どうぞよろしくお願いいたします。」

🟩「本日より○○小学校で勤務することになりました○○です。子どもたちの『できた!』という笑顔を見ることが、私にとって一番の喜びです。一人ひとりの個性を大切にしながら、安心して学べるクラスづくりに努めてまいります。未熟な点も多いですが、周りの先生方にご指導いただきながら、子どもたちの成長のために精一杯取り組んでまいります。」

🟨「○○小学校に着任いたしました○○です。皆さんが『学校って楽しい!』『先生と話すのが好き!』と感じてくれるように、一人ひとりの個性を大切に、良いところを見つけながら、毎日を明るく過ごしていきたいと思っています。ともに学び、考え、一緒に成長していきましょう。日々努力してまいりますので、よろしくお願いいたします。」

中学校教員向け

🟩「このたび、○○中学校で勤務することになりました○○と申します。教科は国語を担当します。私は、生徒の皆さんが安心して学び過ごせる、温かい雰囲気のクラスづくりを目指しています。皆さん、これから一緒に勉強や、部活動、学校行事に励んでいくなかで、ひとつでも好きなこと、得意なことを見つけ、伸ばして、自信や将来の夢につなげていきましょう。先生方と連携しながら、楽しく充実した学校生活をサポートできるよう、日々努めてまいります。」

🟨「本年度から○○中学校に勤務いたします○○です。私は、何よりも『皆さんの声を聴く』ことを大切にしています。中学生の皆さんは、日々いろいろなことを考え、悩みながら、将来の基盤となる大事な時期を過ごされていると思います。そんな皆さんの気持ちにつねに寄り添う『味方』として、一緒に前へ進んでいきたいと思っています。周りの先生方にご指導いただきながら、力を合わせて、よりよい学校づくりに取り組んでまいります。」

🟩「このたび、○○中学校に着任いたしました○○と申します。これまで私は、一人ひとりの声に丁寧に耳を傾け、ともに成長を喜べるような関係づくりを大切にしてまいりました。中学校の3年間は、心も体も変化が大きく、自分という個人や、なりたい将来像を確立していく大切な時期です。その中で、皆さんが自信を育み、人とつながる安心感を得られるような教育を目指していきたいと思っています。周りの先生方のお力をお借りしながら、この学校の一員として、責任を持って職務に励んでまいります。」

新任教員向け

🟨「この4月から、○○中学校で勤務することになりました○○です。初めての教員生活スタートにあたり、正直、緊張もありますが、それ以上に、皆さんと一緒に学び、笑い、成長していけることを、今からとても楽しみにしています。未熟なところも多々あると思いますが、先輩の先生方にご指導いただきながら、一日も早く信頼される先生になれるよう、誠実に歩んでまいります。どうぞよろしくお願いいたします。」

🟩「このたび、○○中学校に着任いたしました○○と申します。教科は英語を担当します。本日こうして、長年の夢だった教師として皆さんにお会いできることを、とても楽しみにしていました。歴史と伝統があるこの学校で、皆さんとともに新たなスタートを切れることを、心から嬉しく思っております。諸先生方にご指導いただきながら、生徒の皆さんが充実した学校生活を送るために少しでもお力になれるよう、精一杯努めてまいります。」

🟨「この春から○○学校で勤務することになりました、○○と申します。教員としての経験はまだ浅い私ですが、生徒の皆さん一人ひとりのかけがえのない中学校生活を支えるために、この学校の一員として精一杯努力してまいりたいと思っています。これから私自身も、日々の学びや皆さんとの交流を大切にしながら一緒に成長できることを、楽しみにしています。どうぞよろしくお願いいたします。」

ベテラン教員向け 

🟩「この春から、○○中学校で勤務することになりました○○です。長年、教員としてさまざまな学校で経験を積んでまいりました。その貴重な経験から得た学びを活かし、一人ひとりに真摯に向き合っていきたいと思っています。生徒の皆さんが、かけがえのない個性を輝かせ可能性を広げていけるよう、熱意を持って取り組んでまいりますので、私でよければいつでもなんでも相談しに来てください。皆さんにとって学校生活のよき伴走者になれるよう、全力でサポートしてまいります。」

🟨「本年度から、こちらで勤務することになりました○○と申します。これまで、さまざまな学校で勤務してまいりましたが、新しい学校、新しい出会いには、いくつになっても、いつもわくわくするものです。今も皆さんとの新たな出会いに、内心、嬉しさとドキドキでいっぱいで、○○学校でのこれからの毎日がとても楽しみです。生徒の皆さんの学び、成長、悩みに、教師としてつねに寄り添いながら、私自身も、皆さんとの支え合いの中で、人として学び成長していきたいと思っております。」

🟩「このたび、○○中学校に着任いたしました○○と申します。これまでも、長年にわたり学校教育に携わってまいりましたが、こうして新しい環境に身を置くと、また一から、初心に帰っての新たな発見や学びがあることを実感できます。諸先生方や生徒の皆さんと一緒に、日々同じ思いを共有し、同じ風景を見て歩みながら、これまでの経験を少しでもここでの学校生活に還元できればと思っております。」

例文を活用しつつ、自分自身の体験や経歴を反映させて、自分らしい挨拶を考えてみてください。

よくある質問と対策

着任式の挨拶では、これからの学校生活を考えて、できるだけ良い印象を残したいものですね。ここでは、着任式の挨拶に関するよくある質問と対策について、お伝えしていきます。

挨拶当日の不安点や心配ごとが少しでも減るように、以下の内容に気をつけて対策しておきましょう。

Q. つい話し過ぎてしまいます。着任式で適切な長さは、どれくらいでしょうか?

着任式の挨拶は、一人あたり3分程度が適切です。配分としては、生徒向けに1~2分程度、教職員・学校関係者(や保護者)向けに2分程度に、内容をまとめます。長すぎる挨拶はマイナスの印象を持たれやすいため、伝えたいことを簡潔に話すように心がけてください。

なお今回の記事で紹介している例文は、そのまま話すと1分程度の長さです。ご自身のご経験や思いを1~2つ程度盛り込むとちょうどよい長さになるでしょう。

Q. 避けたほうがいい話題や、言葉遣いで気をつけるべき点はありますか?

着任式の挨拶で避けたほうがいいのは、以下の5つです。

「がんばります」の連呼

相手に意欲を伝える「がんばります」は、着任式の挨拶でもよく使われる言葉ですが、あまり連呼すると、かえって印象が薄くなってしまいます。
使う時には、何をどうがんばるのか、内容を絞って具体的に伝えるようにしましょう。

過度な謙遜

過度な謙遜は自信の無さとも受け取られるので、注意が必要です。「この先生で大丈夫なのだろうか?」と、児童・生徒や周りの先生に不安や頼りなさを感じさせてしまってはマイナスです。謙虚な姿勢は大切ですが、謙遜しすぎないように気をつけましょう。

難しい言葉や専門用語の多用

難しい言葉や専門用語を多用すると、特に児童・生徒たちには伝わりにくくなってしまいます。また、とっつきにくい先生という印象を与えてしまい、心理的な距離が生まれかねません。わかりやすくやさしい言葉で、簡潔に伝えるように心がけましょう。

過度な自己開示

親しみやすさを感じてもらおうとして自己開示しすぎると、自己顕示欲が強いと受け取られ、逆効果になることもあります。先生としての威厳を保ちつつ、適度な親しみやすさを演出するようにしましょう。

前の勤務先との比較

前の勤務先の話を持ち出して、比較するように話すこともおすすめできません。前任校や赴任校を批判しているとも受け取れる姿勢は、聴く人に不信感を与えてしまいます。話すのであれば、これから毎日を過ごしていく赴任校の雰囲気や児童・生徒の良い印象を、積極的に伝えるようにしましょう。

挨拶は、わかりやすくやさしい言葉で簡潔に。ネガティブな話題は避けるようにしましょう。

着任式の挨拶で大切なのは “誠実さ” と “簡潔さ”

新しい学校での第一印象を左右する、着任式での挨拶。何を話すべきか迷い、緊張してしまうのは自然なことです。しかし、適切な準備と心構えがあれば、児童・生徒や保護者、教職員との信頼関係を築いていくための大切な第一歩にふさわしい、印象的な挨拶ができるでしょう。

好印象を与える挨拶の基本は「自己紹介」「教育への思い」「協力のお願い」の3つの要素を、誠実な姿勢で簡潔に伝えることです。初めに自分の名前、担当教科、簡単な経歴を、親しみやすさを意識してわかりやすく伝え、次に教育方針や、教師として目指すクラスや学校の姿を具体的に語ることで、聞き手に安心感や信頼感、期待感を与えられます。

この記事でご紹介した挨拶の例文や大切なポイントを参考に、自分らしさを大切にしながら、心に残る着任式の挨拶を準備してみてください。簡潔な表現であっても、誠実な姿勢と思いが伝わる自分らしい言葉選びが、これからの学校生活を豊かなものにする第一歩となるでしょう。

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